日朝交渉をどう見るか?東京連続集会82 全報告
◆言質をとられないことしか言わない
私は残念です。外務省の人はどこで聞いても絶対に言質をとられない。「行動対行動」という言葉がありますが、「北朝鮮が日本人妻を出してきて日本に帰国させるという行動に対して日本はどうするんですか」と聞いたら、「拉致問題を含め全体として有効かどうかを判断して総合的に検討したい」と。
何言っているのか分からないですね。「拉致問題が優先」と言っておきながら、「行動対行動」というものがあって、「日本政府はすべての事象に対して、あらゆる対応を検討しています」と古屋大臣はおっしゃいましたが、何を想定してどうするのかが全くないように感じるんです。
今回も徐大河が委員長になりました。そして、「北朝鮮の最高指導機関である国防委員会から特別な権限を付与され」て出てきたのが少将です。2001で少将の地位は1448番目だそうです。「1448番目の人が1番目の人に具申できるわけがない」と元防衛省の人が言っていました。私もそう思います。日本がこう言っていますと報告するだけだと思います。その報告もまともにされているのかどうか分かりません。こういう状況では、被害者を取り戻すことはできないというのが私の感想です。
外務省は敵ではないけど味方ではないと感じています。味方でない人たちが、私たちの家族の命を預かっている。命をかけた戦いの中で、前面に立ってやっている。本当にどう言っていいのか分かりません。私はこう言ったんです。「今この瞬間も私たちの家族が殺され始めているかもしれませんよ」と。あなたたちが強く出ないからという意味で言ったんです。
城内実・外務大臣政務官は、私たちに、「伊原さんも命がけでやっています」とおっしゃいました。「命がけ」とはどういうことなんでしょうか。伊原さんがもし失敗したら処刑されるんですか。「命がけ」とそんなに簡単に使わないでいただきたいですね。
私は、嫁の高校の先輩で福島瑞穂さんと、たまたま宮崎県人会で一緒になり、私は宮崎県人じゃないですが妻と一緒に行った時です。その時も、「命がけでこの拉致問題に取り組みます」とおっしゃいました。「命がけ」と軽々に使ってほしくない。命をかけているのは拉致被害者だということをもっと自覚してもらいたいし、安倍総理にもそのことを強く意識してほしいと思っています。
伊原さんたちは、「2002年、2004年の北朝鮮の報告があまりにも納得できるものでないから、納得できるものをださせる、北朝鮮に説明させる。それが拉致問題の解決」とおっしゃるんですが、それを聞いた私はちょっとぞくっとしました。
納得のできるものを出させるということは、被害者を越え抑えることと同じです。その意識がないんです。拉致問題の解決ではなく、被害者の奪還をしなければならない。北朝鮮と交渉をするときには、被害者を助けるための交渉なのであって、拉致問題を解決させるための交渉ではない。このことをもっと強く意識していただきたいと思います。
国民の皆様にも、拉致問題の解決ではなく、北朝鮮からの奪還なんだと(拍手)、奪還するための交渉でないと意味がないんだということを強く意識して、声を出していただきたいと思います。宜しくお願いいたします(拍手)。