日朝交渉をどう見るか?東京連続集会82 全報告
◆1回目は嘘の報告をしてくる、その次が勝負
国連の結果がどうなるかによって、また次がどうなるか決まるでしょうが、早ければ1月くらいに何かを出してくる可能性はあります。私は7月の特別調査委員会が始まった時、あるいは5月のストックホルム合意の時から、1回何か出してくるだろう、そして多分それは嘘だろうと思っていました。
その1回出してくることを嘘だと見破ることができたら次に行ける。但し、その嘘の証拠として、生きている人を殺して遺骨にするということをされたら、もうすべて終わりなので、そのことだけを抑止して、彼らが1回出してくる嘘をどうやって打ち破るのか。
彼らは困って、日本からの送金をさせて、このままいったら倒れてしまう朝鮮総連を何とかしたいと思って接近してきたことは間違いないので、それについて彼らはまだ一息ついていませんから1回勝負をかけてくると思います。
そういう観点から今回外務省が作ったペーパーを見ると、「北朝鮮側の説明概要」の所で、「証人や物証を重視した客観的・科学的な調査を行」うと言っています。この「物証」というのが大変気にかかります。死亡の物証を出そうとも読み取れるような表現です。また、「客観的・科学的」というと、DNAのようなことを考えているのかなあとも読めるんです。
そして、今初期段階で具体的なことを出せない理由として、「客観的で明白な新たな資料を発見できていないからだ」と北が言ったというんですが、発見ではなく、まだ作っていないからということなのか。
こちらの手の内は全部向こうに分かっているわけです。北朝鮮が前回説明したことについてどこがおかしいということは全部公開しています。
死亡診断書がどうおかしいとか、患者死亡台帳がどうおかしいとか、当時市川さんが海水浴に行ったという日は台風がきていて寒かったとか、おかしいことは全部公開していますから、おかしくないような理屈を作ってくるかもしれない。向こうはそれだけ準備をしますからね。
それに対して勝負をどれだけかけられるか。これは、拉致問題対策本部が2006年にできて、情報収集をしているわけです。何を収集したかは言わないと三谷前事務局長が言っていましたが、また言わなくていいと思いますが、勝負の時にそれを使ってもらいたい。
具体的に誰がどこにいるのかということを政府はつかんでいるのか。つかんでいれば殺される心配はないんですね。「殺したら分かりますよ。なぜなら私たちは誰がどこにいるか分かっていますよ」と。別に遺骨の死亡時期を確定しなくたっていいわけです。