日朝交渉をどう見るか?東京連続集会82 全報告
◆認定被害者12人について報告せざるをえなくなった
山谷大臣がテレビで発言されているのを、私はソウルにいたから読めませんでしたが、次の日に新聞で読みました。「これは外交交渉ではない。犯罪者との交渉だ。全員取り戻さなければいけないんだ。妥協するとかそういうことではない」と。
この集会で誰かがよくしゃべっていた言葉だなあと聞いたんですが、大臣がそういう姿勢であるということは、私は大変心強いと思っています。まだ負けてない。1回チャンスはあると思っています。
ストックホルム合意も、今回の枠組みも危ないことだらけですが、1つだけ評価できることがあります。それは、4つの分科会ができて、第1分科会と第2分科会が分けられたことです。
第1分科会は(政府認定の)12人を対象にすると言った。拉致被害者を対象にすると言って、第1と第2が一緒になると、「800人についてやっていますけどまだ時間がかかります」とか、色々言われるかもしれない。しかし、「12人を対象にして何らかの結果を出す」と言ったんです。
1回12人について出してくるんです。一度「死亡」とか「未入境」と言った人について彼らの言う「客観的・科学的な物証と証人」が出てくるんです。その時が勝負だと思います。繰り返しになりますが、そこでは必ず嘘をつくと思っています。
でも、嘘をつかせるところまで来たという点では、半歩くらい上がっていて、日本の世論を見ていると思いますから、「これ以上時間稼ぎをしたら逆になりますよ。日本人は怒っていて、日本の側から、この枠組みからおりるかもしれませんよ」と。
一部野党の中には、この枠組みは白紙に戻すべきだという意見も出ています。次世代の党はそういう方針を出しています。中山恭子先生は、「一度白紙に戻した方がいい」と言っています。
我々は、代表が平壌に行く前に申し入れをしましたが、そこでは、「期限を切って1回目の報告をいつまでにしろと北に迫ってほしい」、「拉致問題について調査をすると言ったから制裁を3つ解除したのに、何もしてないのであれば制裁を元に戻してほしい」ということをしました。
「行動対行動」で、拉致以外のことが進んでいるから日本は何かしなければならないという議論に巻き込まれてはならないと思います。