日朝交渉をどう見るか?東京連続集会82 全報告
◆普通は副部長は中将
西岡さんが説明されましたが、特別調査委員会の委員長が少将ということについて改めてお話します。北朝鮮の階級はソ連の影響を受けています。中国もそうですが、尉官、佐官、将官がすべて4階級です。
トップは四つ星でフォースター、北朝鮮では将官は大星1つとか大星2つという言い方をします。少将で大星1つというのが、今回の徐大河の階級です。
他方、国家安全保衛部や北朝鮮の他の組織というのは、部長、第一副部長、副部長があり、その下が局長、副局長です。日本とは逆になります。そして先ほどの実力者、金元弘は国家安全保衛部でただ一人の大将、フォースターです。
スリースターが第一副部長、ツースターが通常は副部長となります。ワンスターとなれば局長です。しかし、北朝鮮にはまた特殊なことがあり、第一副部長と部長の間に政治局長がいます。西岡さんは脱北者者から政治部長と聞いていますが、部長というのは師団などの部隊では部長ですが、国家安全保衛部では政治部長と言っています。最近変わったかも分かりませんが。
いずれにしても、部長のナンバー2は政治局長なあるいは政治部長なんです。肩書は上将、スリースターです。第一副部長も基本的に上将、スリースターですが、場合によってはツースター。そして副部長となるとツースター、中将。今回の徐大河は副部長と言われていますから、本来中将であるべきですが、できが悪くて少将という可能性も否定できません。
従って副部長というのが偽りなのかどうかは分かりませんが、通常の階級の状況ではないことは確かです。今後階級がニュースになるかもわかりません。
先ほど増元さんが、少将は1448人と言われましたが、少将はたくさんいます。ラジオプレスの発表は就任順に並べているだけで、実力の序列ではありません。
副委員長にパク・ヨンシクという男が大佐の階級で登場しました。また、7月に金正恩の随行員でパク・ヨンシクというのが初登場しました。しかも中将、ツースター。北朝鮮の発表はハングルだけで漢字は分かりませんから、金正恩に随行するなら話ができる立場にあることになります。この男が副委員長であれば、これはうまく行くのではないかと本当に期待しました。
ご存じのように北朝鮮では委員長というのは顔マダム(お飾り)であって、副委員長に実力者が座るというのがだいたいの形です。その意味で、当時はパク・ヨンシクが中将で出てきたから、委員長は大将だろうと思っていました。そしてパク・ヨンシクは5回くらい金正恩に随行しています。
随行者は実力者ですから、そういう男がこの委員会にいるのであれば何か動くだろうと期待していたんですが、今回映像で見たパク・ヨンシクは奥にいて、緑の肩章を付けており、別人だったので本当にがっかりしました。こりゃあ、もうだめだ、期待できないと。以上です(拍手)。