国際セミナー「日朝拉致協議の遅延をどう打開するか」全報告
◆北朝鮮にとって問題なのは首領一人の人権だけ、それを揺さぶる
拉致問題を解決するには、私はこの拉致犯罪を首領の犯罪だと結びつけなくてはならないと思っています。今回、国連の決議で、金正恩を国際刑事裁判所に訴えるということになった時に、突然北朝鮮は、この10年間人権問題を無視してきたのに、騒ぎ始め、慌て始めた。国際社会は、それはどうしてだろうかと疑問視しているかもしれませんが、北朝鮮にとって問題なのは一人の人権だけ、首領の人権だけが彼らにとって問題で、首領の人権が犯される、首領の独裁体制が揺るがせられることは許容できないということです。
住民たちの人権問題が問題になった時は全く無視していたのに、首領の人権、すなわち首領の責任を国際刑事裁判所に訴えることになった時に、突然大騒ぎが始まったということです。ですから首領の責任まで追及して初めて彼らは動き始めるんです。