北朝鮮の内部状況と拉致問題の現状‐東京連続集会83 全記録
◆日朝協議は国際社会へのジェスチャーにすぎない
飯塚繁雄(家族会代表、田口八重子さん兄) みささんこんばんは。だいぶ外は寒くなりましたね。北朝鮮はもっと寒いのではないかと思うんですね。暖房も電気も早く止まってしまうし、食べるものもうまいものは食べられないし、相当苦しんでいると思うんです。命がけでこの冬を越そうと思っているんですよね。そういう状況が30数年間も続いています。
私たちは、政府も含めて、救出活動をやっていますが、全くこれといった進展が見られません。昨年から日朝政府間協議が始まったわけですが、実際の具体的な報告もない。そういう意味では、その協議が有効だという証明もできません。
北朝鮮が協議をするとか、調査委員会を作るというのは、やっていますというための単なるジェスチャーではないかと思うわけです。そういう状況の中で、日本がどうやって歩み寄ってくるのか、日本の出方を見ながら延ばし延ばしになっていると思います。
一方、国連関係では、北朝鮮非難決議は毎年採択されてきましたが、今回は、皆さんご承知のように、COI(調査委員会)のカービー委員長が作った報告書が相当効をなして、北朝鮮への非難について各国が改めて理解を深めたという状況になっている筈です。
しかし、単に人権理事会で採択されたと言っても、具体的な効果は見えないと思います。カービーさんの狙いは、これを国連総会にかけ、さらには安保理事会にかけて具体的なインパクトを与えようという狙いだと思いますが、いつもそこまでくると、中国、ロシアが拒否権を行使していつも流れてしまう。そういうことが想定されます。
いまの中国とロシアの内政、外交を見ると、この問題については反対できなくなっていると思います。反対すれば国益を阻害することも考えているかもしれませんが、北朝鮮がなくなっては困るということで、そこ辺が最終的な判断かなと思います。
国際社会がかなり圧力を加えて、北朝鮮が拉致問題について譲歩せざるをえない状況に持っていくことについては効果があるかなと思います。それと日朝協議をうまくかみ合わせてやることも効をなすと思いますが、先ほど言いましたように、北朝鮮は日本とちゃんと交渉している、うちはそんな悪い国じゃないというジェスチャーを今示している、国際社会ににおわせているということだろうと思います。