北朝鮮の内部状況と拉致問題の現状‐東京連続集会83 全記録
◆朝鮮総連が中央本部に居座れるようなスキームを作ったのは誰か
しかし、安倍総理はRCCに対して、朝鮮総連を相手に裁判をして金を取り返しなさいということを指示した人なんです。2006年、官房長官時代に、そのことをやった時、安倍総理はある所で書いていますが、「左翼ではなくて、これはという身内からも、なぜこんなことをするのかと言われた」と。
しかし、今総理です。山内俊夫という、増元さんが言及された元参議院議員は、「朝鮮総連が中央本部に居座ることができるということは日朝協議にとってプラスだ」という発言をしています。
私は全く反対だと思っています。ブッシュ政権の末期に、ライスさんとヒルさんは、先に制裁を解除してしまった。そうしたら何が起きたか。制裁解除だけをとって核実験をしたんです。口約束は守らなかったんです。
朝鮮総連が中央本部に居座れるようなスキームを先に作ってあげたら、彼らはほっと一息ついて、交渉が進展しなくなってしまうのではないかという恐れを持っています。
ただ、まだ色々方法はあると思っています。ある法律の専門家に聞いたら、グリーン・フォーレストが朝鮮総連と賃貸契約を結ぶ場合、その賃貸契約はRCCが持っている朝鮮総連に対する、債権を回収するのに障害になると言って、賃貸契約を無効にする民事訴訟を起すことができる筈だ、と言っていました。
つまり、家賃を払うお金があるんだったら、こっちへ返しなさい。別の所に払う契約を結ぶ状況じゃない。500億円まだあるんだ、と。
今安倍政権は、厳格な法執行という政策を、拉致問題解決の8項目の中の1項目として掲げています。マルナカホールディングスがグリーン・フォーレストに売ったということは民対民の問題ですから、政府が関与すべき問題じゃないということは分かりますが、厳格な法執行という政策の中で、RCCが出版会館の売却をなぜ認めたのか、グリーン・フォーレストが総連と賃貸契約をして、総連が高い家賃を払うことを認めるのか、家賃を払えるんだったらお金を返しなさいとなぜ言わないのか、という部分は追及すべきことではないかと思っています。
先ほどの自民党の政策では、「拉致問題が進展しない限りこれ以上支援はしないし、これ以上制裁緩和しない」とありますが、これは制裁緩和になるのではないかと思っています。
まだまだ負けたつもりはありませんし、このことは93年からずっと問題にしてきているので、こんないわく因縁付きの出版会館が、もともと競売にかかったものなのに、もう一回売ってそのお金が朝鮮総連中央本部の売却に使われる。同じ土地を何回も使いまわすようないい加減なことを許していいのかと強く思います(拍手)。