「最終決戦のとき、不退転の決意で全員救出を!国民大集会」全報告
◆生きている被害者を返せという言葉を北朝鮮に投げつけていただきたい
増元照明(増元るみ子さん弟、家族会前事務局長)
みなさん、こんにちは。ここに来られている方々と同じ考えの方が日本全国にいらっしゃれば、こんなに長く拉致被害者を放置していることはなかったでしょう。残念ながら今の日本ではそこまで広がっていないのが現状なのだと思っています。
わが薩摩の偉人、南洲翁が残した次の言葉があります。
「正道を踏み国家を以て斃るるの精神なくば、外国交際は全かる可からず、彼の強大に畏縮し、円滑を主として、曲げて彼の意に従順するときは、軽侮を招き、好親却て破れ、終に彼の制を受るに至らん」(『西郷南州遺訓』)。
今北朝鮮になめられているんじゃないでしょうか。北朝鮮との交渉を円滑にするために我が政府は、外務省は、本当に下手に出ているとしか思えません。
昨年も申しましたが、私は昨年3月、交渉を始めるに際して、「北朝鮮に再調査を求めると生存している人を殺しかねない政権だ。そのことを踏まえて再調査を行うことは危ないと肝に銘じてください」と。そしたら再調査と言うことになりました。
再調査というのは、北朝鮮のプライドを認めて再度報告させることができるということでしたが、日本人のプライドはどこにあるんでしょうか。残念ながら、北朝鮮のプライドを重んじてわが国のプライドを落としているのが今の外務省の交渉ではないか。
昨年10月、外務省の局長がこうおっしゃいました。「私たちは今北朝鮮と2002年、2004年の調査結果に納得できないから、納得できるだけの報告書を作りなさいと言っています」。
2002年、2004年の調査結果に納得できないと言っているんです。我々が求めているのはそんなものではありません。生きている被害者を返せという言葉を北朝鮮に投げつけていただきたいんです(拍手)。
今のような交渉では、「北朝鮮の皆さん、生きている被害者を殺して、骨を出して、日本人を納得させるようにしてくださいよ。そうすれば国交正常化も進むし、これからの交渉も楽になりますから」と言っているとしか聞こえないんです。
だから私は、外務省のやり方には疑問を感じています。今年1月5日から5日間、外務省前で座り込みをやったのも、その抗議の意味です。3か月、4か月、何の進展も見せない日朝交渉に、外務省はもっと時間をとってやってもらいたい。だから外務省前に座り込みました。
外務省前だけではと思って、朝鮮総連前に座り込もうとしましたが、警備の方から止められました。「朝鮮総連の前だけは絶対座り込まないでください。その代り主意書というか要請書を投げ込むことは何回やっていただいても結構です」とおっしゃったので、翌週の4日間、毎日、同じ文章を日付を変えて出しました。
その朝鮮総連に出したのは、「もし在日の方たちが日本人との共生、日本社会との共生を望むなら、まず塊より始めよ。日本人と同じような気持ちで北朝鮮本国に物申すことから初めてほしい」と書いて、許宗萬議長宛に出しましたが、何の反応もありませんでした。
もう自分の行動でしか姉を取り戻すことができないという、そんな弱い、気力のない状況に陥っています。それは、総理のもとでも交渉が進まない状況が続いていることに、非常に失望しているからです。
先日、北朝鮮に何回も行っている、おそらくフリージャーナリストですが、左の方だと思います。「直接金正恩に対して手紙を書いてみませんか」と言われました。利用されるかもしれないけれども、もう手紙を書くのも必要だろうと思って書かせていただきました。
その内容もすべて公表します。4月30日になったら救う会のホームページに掲載すると西岡先生から許可をいただきました。そして持っていった方に、「もし仮に北朝鮮から返事があったら、それも公表することだけは北に伝えてください」と申し上げました。
公にして、国民の皆さんと怒りを共有したいんです。そして日本国中すみずみまで、この怒りを燎原のように広げていっていただきたいんです。そうしなければ被害者を取り戻すことはできない。そう考えています。宜しくお願いいたします(拍手)。