北朝鮮に未来を描かせないためにやるべきこと‐東京連続集会85 全記録
◆ニューヨークで北朝鮮外交官を脱北者者が取り囲む
西岡力(救う会会長、東京基督教大学教授) みなさん今晩は。5月5日に、ニューヨークで日本政府主催の「北朝鮮人権国際シンポジウム」がありました。実はこれは一定の緊張感の中で行われたんです。
4月2日に、ご承知の通り、北朝鮮は日本に対して、「このままでは政府間対話ができなくなっている」と脅してきました。我々が安倍さんに会う前日でしたが、その理由は2つあります。
1つは、朝鮮総連の議長や副議長の自宅を家宅捜索したこと、もう1つは拉致問題を国連に持ち込んでいることがけしからんというものです。「政府間対話ができなくなっている」と言われましたが、4月3日、安倍総理は我々に対して、「拉致問題を解決しなければ北朝鮮が未来を描くことは困難だと認識させなければならない」と言いました。
そして、4月26日、日比谷公会堂で行った国民大集会でも安倍総理は同じことを言いました。それに対して北朝鮮は、「安倍ごときが主体思想の国の未来を云々するのはけしからん」と言って怒らなければいけないのに、安倍批判をしなかった。
そういう中で5月5日に、政府がニューヨークで国際シンポジウムをやった。つまり、北朝鮮が、「それをやったらもう交渉を打ち切るぞ」と脅している中で、敢えて予定通りニューヨークでやった。
そこに、政府だけでなく、超党派でオールジャパンだということを示すために野党からも来てほしいと山谷大臣の方から強い要請があって、拉致議連の会長代行の渡辺周先生が民主党の拉致問題対策本部長として行ってくださったということです。
実はもうちょっと緊張関係があって、その前の週、同じ国連で我々がよく知っている金聖●(●=王へんに文、キムソンミン)自由北朝鮮放送の代表などが20人くらい、ワシントンで行われた北朝鮮自由週間の行事のためアメリカに行っていました。
その中で1日だけニューヨークに行って、ニューヨークで北朝鮮人権に関する脱北者者の公聴会をやったら、北朝鮮の外交官がそこに現れて、脱北者者が話をしている途中突然立ち上がって、抗議声明を読みだした。司会者の、国連代表部の米国の大使が、「あなたたちに発言の機会を与えるから待ちなさい」と言っても、やめなかった。
それで脱北者者たちが北朝鮮の外交官を取り囲んで大声でやり取りをするということになりました。その後我々が行ったわけですが、前日の5月4日には山谷大臣を激しく非難する声明が北朝鮮から出ました。そういう中で5月5日の国際シンポジウムが行われました。壇上で発言してくださった渡辺先生からその辺のいきさつをふくめて、どんなことを話されたのかなどをお願いいたします。