北朝鮮に未来を描かせないためにやるべきこと‐東京連続集会85 全記録
◆「待ち続けます」と答弁した外務省、制裁再発動、総連本部の管理を日本がやるべき
渡辺周(民主党拉致問題対策本部長、拉致議連会長代行、衆議院議員) 来週月曜日の夕方に、拉致対策委本部の会合をやります。民主党にも高木義明さんという旧民社党系の方がおられます。国対委員長をやっておられます。松原仁元大臣もいます。
このタイミングでやるというのは、当然ストックホルム合意から、日朝再協議なるものから1年たって未だ何の成果も出ていないからです。先日ある議員が、拉致問題の特別委員会で質問するために外務省を呼んで、事前に質問内容を通告していました。「一体これはいつまで待つつもりなんだ」と聞いて外務省が何と言ったかというと、「待ち続けます」と。
こんなのはありえない。北朝鮮は拉致被害者がどこにいるか完全に把握しているわけです。調査するなんてでたらめな話なんです。その気があったらできることです。なのに外務省は、「向こうから誠意ある回答がくるまで待つ」なんて、こんなのんきなことを言っていられるわけがないんです。当たり前です。
もう1年ですから区切りをつけて、制裁を再発動することについて、今は送金の届出額を上げました、人の往来も認めましたが、とにかく北朝鮮の嫌がることをやろう。
もう一つは朝鮮総連の建物に対して、我々がどうやって彼らの嫌がることに関与するかです。これは非常に興味深いことを、一緒に行った脱北者の木下さんが言っていましたが、なるほどなと思いました。
帰還事業で帰った方々の中に、千代田区富士見の本部について、近くに議員宿舎がありかつて私も住んでいましたが、北朝鮮の中で金日成時代あるいは金正日時代に朝鮮総連の人間が何を言ったか。「日本の天皇陛下が住んでいる皇居よりも標高の高い所に我々の共和国の旗が翻っています」と報告をするんだそうです。
これは脱北者者の方がおっしゃったことです。なるほど、と。北朝鮮にしてみると、皇室がお住まいになっていらっしゃる皇居よりも、わずか数メートル高い、確かに近くの靖国神社は九段下から坂を上っていきますので少し高いですよね。そんなことが彼らのこだわりなのかもしれませんが、総連の本部は皇居より標高の高い所にある。そこに共和国の旗が翻っているんだと得意満面で、枕詞にして言っていたそうです。
だから彼らにとっては、総連の本部というのは何よりも守りたいヘッドクォーター、司令塔ですので、彼らの一番嫌がるこの総連の土地建物をどうするか。
それから先日、その質問に立った議員に僕は少し知恵をつけたんですが、拉致をした実行犯はもとより、その協力者、朝鮮総連の中にいる、今もその連中が日本の国内にいる。この協力者に対して捜査しないのか、と山谷大臣、国家公安委員長に質問しました。
議事録を見ていただければ分かるんですが、いつも通りの答弁で、「様々な可能性を考えて情報収集をしているし、やるべきことはやる」という話ですが、そこをもう1回、拉致に関わった総連の人間に関する情報を出せ、捕まえろ、と。マツタケで捕まえられるんだったらもっとひどいことをやった人間を捕まえろ。そして何よりも総連のビルについては、あらゆる法律を駆使して、もう1回日本国が管理をして、総連のビルの中で総連の人間を出入りさせないようにする。
そういうことも併せて検討、準備することで、この1年成果のない日朝協議は、そろそろそれが見えるようにやらなければならない。民主党がどうこうというより、これは本当に、拉致議連も含めて、官邸が少し今トーンが下がっていると感じるものですから、とにかく官邸に対してそれくらいのことをやれということを国会が、政治がやるという姿勢を示したいと思います。
西岡 ありがとうございます。実は渡辺先生は民主党政権時代、防衛副大臣をされていました。その立場から、秘密のこともあるので言えることと、言えないことがあると思いますが、北朝鮮が混乱事態になったときにどう助けるのか。そういうことについて日本政府は何をやっているのかということについても、当時は政府の中で防衛相の人たちを叱咤激励してくださったと聞いているんですが、その中でここで話せる部分があれば。