これだけできる北朝鮮への追加制裁‐東京連続集会86 全記録
◆拉致被害者を含む邦人を載せた米艦船を自衛隊は守れないのか
塚田一郎(自民党参議院議員)
12番目、「朝鮮半島有事等に備え、米国とより一層緊密な連携を図り、拉致被害者を含む邦人の安全確保と保護に全力を尽くすこと」。これはかねてから家族会・救う会の皆様からいつも提案され、また懸念を表明されている有事における拉致被害者を含む法人の救出です。
残念ながら、現行の憲法下では、わが国自衛隊が、相手国の同意がない中で、また戦闘状態にある中で救出のために派遣することができないのが現状です。現在国会で審議している平和安全保障法制において、救助活動の輸送は一つ段階が上がったとも言えますが、自衛隊法の改正をもっても、残念ながら有事での自衛隊派遣は難しいというのが総理、政府の見解でもあります。
そうした中で現実的にどのような形がとれるのか、ここは西岡先生にいつもご教授いただいていますが、現実には米韓の北朝鮮有事のシミュレーションを活用していくことではないかと思います。ならば我が国は米国との連携をさらに強化して、邦人救出に向け集団的自衛権の行使を含めた対応を行っていくことが現実的な可能性だと思っています。
救出した拉致被害者を含む邦人がアメリカの船で輸送され、日本に向かっている途中、その船に対し攻撃がなされた時、日本の自衛隊がそれを守れないようなことがあった時に、これがまさに今回の平和安全保障法制における集団的自衛権の大きな要点の一つだと思っています。
そうしたことができない国では、自国の国民を救うことはできません。本来であれば自衛隊が行かなければならないことを、集団的自衛権の中でそれを行うのであれば、当然のことですが行使を容認することが現実的な対応だと我々は考えています。
13番目、「全ての対北朝鮮措置について厳格な法執行を徹底するとともに、各国当局との規制対象等に係る情報共有及び連携を図り、制裁措置の有効性を確保すること」。これは全体にかかるもので、これらの措置をしっかりと実現するためには、厳格な法執行と各国との連携強化が重要です。バスケットクローズ(包括条項)として13番目を入れました。
概略以上が今回我々がまとめたものです。シミュレーション・チームでは有識者の皆さんを含め、家族会・救う会・調査会からもご意見をいただき、その内容を最大限考慮して今回の提言をまとめました。
25日にはこれを総理に手渡しをして、総理からも、「こうした提言の内容を踏まえて拉致被害者の救出に引き続き取り組んでいきたい」という話しがありました。以上、宜しくお願いいたします。ありがとうございました(拍手)。