救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

これだけできる北朝鮮への追加制裁‐東京連続集会86 全記録



◆朝鮮総連に対し法そのものの厳格化検討を

西岡 力(救う会会長、東京基督教大学教授)
 ところが、日本ではスパイ防止法がないから、ロケット技術も原子力技術も、朝鮮総連に所属していて、北朝鮮に忠誠心を持っている人が自由に日本で学ぶことができて、それを自由に持っていくことができて、そのことを処罰する法律が何もない。これで本当にいいのか。その結果、日本にミサイルが飛んでくるかもしれない。
 今回、朝鮮総連の議長の次男が逮捕されました。報道によると、その次男の会社化自宅からある書類が見つかった。「特殊鋼に技術者を連れてこい」という命令を受けていたということです。
 その命令を受けて、許宗萬議長の次男は、科協のリストからそういう専門家を洗い出して名簿を作っていた。その中には、日本の大手の鉄鋼会社に勤めている技術者もいたと私は聞いています。
 その証拠を持っているわけです。しかしそれを罰する法律がないから、多分公安関係者がリークしたんですね。このくらい危なくなっている、と。今の日本の法体系では、法と証拠に基づいて取り締まるというけれど、証拠はあっても法がないんです。
 政府に対する要請は、現状の法律に基づいてできることですが、朝鮮総連の不法活動について今のままの法体系でいいのか。厳格な法執行だけではなく、日本人と在日朝鮮人の人権を侵害し、日本や東アジアの安全を脅かすような組織が日本にあります。つまり、北朝鮮はテロ国家で核・ミサイル開発をし、人権侵害をしていると国際社会が認めているのに、その国に忠誠心を持ってその国ために活動している組織が日本にあるのです。
 これはもう少し時間がかかることだと思いますが、立法府の中で是非議論していただきたいと思います。そして、そういう議論が起きること自体が、実は北朝鮮に対する強い圧力になります。
 私が聞いている情報によると、去年の初め、日朝協議が始まる前に金正恩が担当者にこう言ったということです。「朝鮮総連を守れ。朝鮮総連は偉大な首領様が作り、将軍様が育てた組織だ。自分の代でつぶすわけにはいかない」。その時はちょうど安倍政権が中央本部を競売にかけて、彼らが立ち退くかどうかが問題になっていました。
 日朝協議の当初、宋日昊は中央本部のことにこだわっていました。途中からこだわらなくなったのは、何か裏であったのか、大変不明朗な、不愉快な感じを我々は持っていますし、先生の先ほどの説明の通りです。
 向こうから見ると、大切な機関に見えているわけです。今の許宗萬議長の前の前の、韓徳銖議長が平壌に行って、金日成にこう言ったそうです。「朝鮮総連中央本部は皇居を見下ろす丘にある。日本の一番偉い人を我々はいつも見下ろしている」、「皇居を見下ろす丘にある中央本部には共和国の旗が今日も翻っています」と。金日成は喜んだそうです。
 そういう中央本部から出なければならなくなる直前まで追い込んでいた。それは意味があったわけです。
 厳格な法執行は現行の法規を前提にしています。それを朝鮮総連に対して書いたということは今までなかったことで、大変意味があると思いますが、もう一歩進んで、今日本の中で朝鮮総連が行っている活動をそのまま許していいのかという観点から、現行法規では足りない法を補完することも是非考えていただきたいと思います。
 総連本部のお金の問題もそうです。つまり、なぜ競売が起きたかというと、朝銀信用組合がばたばたとつぶれて、1兆4千億円の公的資金が入った。これは日本の法体系で合法です。しかし、安倍総理も官房長官時代から話をしていましたが、「1兆4千億円のこげついた債権のうち、北朝鮮に送られたものがあるかもしれない」と。そういう疑惑があるわけです。
 朝銀信用組合は都道府県が認可する信用組合です。民族学校とか朝鮮総連の出版会館で、いわゆる朝鮮総連の不動産ですが、その所有者は管理組合という民法上の法人です。借りたのは個人やペーパーカンパニーです。彼らは返さなかった。しかし、その上に朝鮮総連がいて、「この人にこれを担保にして貸せ」と、意図的に不良債権を作っていたんじゃないかと疑われているわけです。
 日本の商法では、それぞれの主体は自分のもうけを最大限にするために動くが意図的に不良債権を作ることはない、と。しかし景気が悪くなって、お金が返せなくなったら善意の預金者を保護するために公的資金を入れる制度があります。それを、悪意を持って外国の機関が悪用してお金を送金していた。それが現行法規で取り締まれないのであれば、このままでいいのかということです。
 アメリカは「9・11」のテロの後、このままではアメリカが守れないということで愛国者法という法律を作りました。マカオの銀行はテロ資金を扱っている銀行だとしてアメリカの銀行との取引を停止したんです。マカオの銀行に弁明の機会も与えないでアメリカが決めてやった。それくらいのことを、自国へのテロに対してやることも含めて、厳格な法執行は大賛成ですが、法そのもののより厳格化を、是非朝鮮総連に対して考えていただきたいと思います。


  
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