これだけできる北朝鮮への追加制裁‐東京連続集会86 全記録
◆「内乱状態にある時に日本人を助けに行くことは憲法上できる」と91年の小松答弁
島田 その通りだと思います。今政府がしている安全保障新法案もそうですが、一つだけ、改悪になっている部分があると思います。先週、名前は言えませんが、安保法制に極めて責任ある立場にある政府高官とこの問題を話し合いました。
実は、1991年3月13日、衆議院安保特別委員会において、野党側の質問に対して、当時外務省条約課長だった小松一郎氏が答弁をして、こういうことを言っています。
「内乱状態等が起こって日本人がいる所在地国が日本人を保護する能力も意思もない場合は、わが国が武力行使をして救出することは国際法上認められている」と。そして小松氏は、憲法上日本はできないとは全然言っていません。「国際法上できるということは、日本もできることでしょう」と質したところ、「その通りだ」と。
ところが今出されている法案では、相手国の同意がなければ自衛隊は内乱状態の時助けに行けないとなっています。これは小松答弁よりも後退しています。法案全体を通すためにそこの部分は、色々な配慮から解約状態になってしまったというのが現状です。
この「相手国」ですが、日本は北朝鮮を国家承認していません。だから北朝鮮は国じゃない。日本は韓国を国家承認していますが、韓国の憲法では朝鮮半島全体が大韓民国ですから、従って「韓国の同意があれば行けると読めばなんとか対応できるのではないか」という話しをしたら、「そういうことも考えていきたい」という答えでした。
党により色々な読み方がある中、実際に自衛隊が救出に行くことは、91年時点での小松答弁ではできると言っているわけです。昨年、安保法制懇が報告書を出しましたが、この報告書も小松答弁を引用して、「内乱状態にある時に日本人を助けに行くことは憲法上できる」と言っています。
ところが今の安倍政権は、そこが後退してしまっている。この手当が現実的に必要になってくると思います。