「特別調査委員会」1年全拉致被害者を取り戻す緊急国民集会全記録
◆外務省が北朝鮮に、「今しばらく」と言ってくれと頼んだのではないか
西岡 力(救う会会長、東京基督教大学教授)
私からも一言申し上げます。
今の状況はどちらが押しているのか。北朝鮮なのか日本なのかということです。私は4月3日、総理が少し押し返したと思っていました。4月2日に、北朝鮮が、「このままでは政府間対話ができなくなっている」と脅してきました。次の日、総理が家族会に会った席で、それもテレビカメラの前で、「拉致問題が解決しなければ、北朝鮮は未来を描くことが困難だ」と言い返しました。
「対話はできないぞ」と言ったら、「未来がないぞ」と言い返した。そこで少し押し返したように思っていました。その後も、彼らが嫌がる国連でのアピールや総連幹部の次男の逮捕などやってきました。しかし、どうも状況を見ると、そうでもないようです。
先ほど平沼先生が冒頭おしゃいましたが、「北朝鮮は未だに拉致に関する調査を終わっていない」。「今しばらく待ってくれ」というのは拉致に関する調査です。そしてすでに遺骨のこと、残留日本人や日本人妻の調査を終わっている。これは北朝鮮の内部から、「日本に帰りたい」という人のリストまでできているという情報が出ています。
「それを早く受け取れ」と、今年になってから継続して日本に言ってきている。それに対して総理が、また山谷大臣が、「拉致が最優先だ。そんなものは受け取れない」と言って頑張っていらっしゃる。
しかし未だに、この7月になっても、彼らは拉致に関して何らかの決定をしないで、先に拉致以外の物を出そうとしている。それはストックホルム合意に、4つの分科会について、「並行して調査するけれども随時報告する」と書いてあるじゃないかと、言葉尻を捕えて、それを利用して拉致以外の物を優先するということをやろうとしている。
「今しばらく」ということについて今日、拉致議連の総会で、白先生は伊原局長に、「そもそもしばらくと聞いたら、当然いつまでなんだと質問するのが当たり前じゃないか」と質問されました。普通、物事が決まっていて向こうが延ばしてきたらいつまでなんだと聞くのは当たり前ですが、明確な返事はありませんでした。
これはどういうことかというと、北朝鮮に、「今しばらく」と言ってくれと頼んだのではないかと私は疑惑を持っています。つまり北朝鮮は出したいと言っているんです。出したいと言っているのに、受け取れないと言っているから、「今しばらく」と言ってくれとこちらから頼んだから、「いつまでなんだ」と強く言えないのではないかという疑惑を持っています。これは推測です。