最終決戦のとき、不退転の決意で全員救出を!国民大集会報告
◆家族のつながりを再開させたくて家族会に入った
飯塚耕一郎(田口八重子さん息子)
皆さんこんにちは。田口八重子の長男、飯塚耕一郎です。毎年のことながら、皆様このように大勢の方に集まっていただき、本当にありがとうございます。今年こそはいい報告ができるかと思っていましたが、なかなかそこに至らず、残念な気持ちです。
曽我さんのご発言を聞いていました。一つひとつはっきりおっしゃっていて、お母様への思いをつづられていました。家族会の中で、母を救出しようと動いているのは、私と曽我ひとみさんだけになります。
正直言って、私は曽我さんの発言をうらやましいな、悔しいなという気持ちで聞いていました。私には、母親との思い出を振り返るべき思い出が何もありませんし、記憶がなにもありません。家族会に入った当初も思っていましたが、母親、田口八重子さんを救う気持ちをどう伝えればいいのだろうかとずっと煩悶していた記憶があります。
ですが、そこを始めるために私は母親を探し出し、救出して、そして彼女と37年ぶりに家族という社会のありふれた形をスタートさせたい。その自分自身に対する気持ちと、八重子さんの兄弟、今日壇上にいる飯塚繁雄に会わせてあげたい。また私の実の姉や姉の子どもに会わせてあげたい。つながりを再開させたいという気持ちで家族会に入った気持ちを、今すごく思い返しました。
自分勝手なことばかり言って甚だ恐縮ですが、私及び家族、北朝鮮に拉致されて今も辛い思いをしている我々の家族を救うために協力していただければと考えています。
本日私から皆様に申し上げたいことが3点あります。1点目、心は焦ったとしても、行動は焦らないでいただきたいと考えています。
本来、ストックホルム合意に基づいて今年の夏くらいまでに調査結果を出すという形になっていました。報告は何も出てきていません。この状況によって、一部の方が、「一括帰国は無理なんじゃないか。報告書を受け取って検証すればいいんじゃないか」とおっしゃいますが、私は基本的に間違っていると思います。
今回の拉致被害者に関する報告というのは、金正恩の初回の報告になります。初回の報告で被害者が「死亡」の烙印を押された場合、これを金正恩が生きている間にくつがえすのはほぼ無理だと思います。
北朝鮮の国家最高権力者が言ったことをくつがえすのは無理になります。彼が死ぬまで、我々の家族は「死亡」という形をくずされないことになりますので、焦って報告書を受け取れとは言わないでいただきたいと思います(拍手)。
2点目、もう代表も常々言っていますが、我々が求めているのは被害者の帰国です。報告書なんかいらないんだ、ということです。我々の愛する家族を一刻も早く返せということを、北朝鮮に是非伝えるべきだと思います(拍手)。
そしてこの気持ちは会場の方々のみならず、交渉に当たる外務省の方々、我々をサポートしてくださる内閣府の対策室の方々が同じ気概を持ってぶつかっていただきたいと思います。
3点目、今日の決議案とも関係しますが、ストックホルム合意から1年2か月、この間誰が帰ってきたんですか。帰ってきていないわけです。鳴り物入りで始まった交渉で一人も帰ってこないのだったら、北朝鮮が拉致問題の解決に本気ではないということの証だと思います。
この本気でない交渉を続けることに何の意味があるんでしょうか。状況によっては、このストックホルム合意を破棄するくらいの気持ちで交渉にあたらないと(拍手)、被害者は帰ってこないと思います。日本の本気を、今のタイミングで、是非見せるべきだと思います。そのため是非ご協力をお願いします。ありがとうございました(拍手)。
西岡 田口八重子さんのご家族は、先ほど挨拶された飯塚代表の他、本間勝さんも来ていらっしゃいます(拍手)。
北朝鮮は田口八重子さんのことをどう言っているのか。宮崎の海岸で工作員と偶然会って、「数日間なら旅行したいわ」と言ってゴムボートに乗って北朝鮮に行った、と。そんなことはなかったんです。田口さんは連れていかれてすぐ、「自分には子どもがいるんだ。返してくれ」と訴えたそうです。そして金賢姫といる時も、いつも耕一郎さんのことを思い出して泣いていた、と。
しかしその耕一郎さんに八重子さんの思い出がまだない。それなのに、親が自分の意思で行ったという嘘をついている。これは本当に許せない人格の冒涜だと思います。許してはならないと思います。
西岡 続きまして、松木薫さんの姉、斉藤文代さんにお願いします。