最終決戦のとき、不退転の決意で全員救出を!国民大集会報告
◆正念場中の正念場、未来を描くことが困難になるようにするべき
西岡 力(救う会会長、東京基督教大学教授)
彼らはまだ、「全員返す」という決断をしていないわけです。それをどうとるのか。私たちは評論家ではありません。第三者のように、「今勝っている、負けている」と言うひまはありません。取り戻すために集まっているんです。戦いには戦術的な勝ち負けもありますが、全員取り戻さない限り、我々の怒りが下がらない。北朝鮮に対する制裁は終わらないし、強化されるんだという原則を曲げなければ負けることはないと思っています。
もう一度原点に帰って、昨年金正恩がなぜ日本に接近してきたのか。そこから考えなければならない。だんだん、北朝鮮の内部からの情報で分かってきました。まず朝鮮総連について大変気にしていました。
先ほど、松本孟さんも朝鮮総連のことに言及されましたが、金正恩氏はこう言ったんだそうです。昨年の初め頃です。「首領様が作り、将軍様が育てた朝鮮総連を自分の代でつぶすわけにはいかない」。首領様というのは金日成です。将軍様は金正日です。その総連を安倍政権が厳格な法執行でつぶそうとしている。
実際過去に、総連から多額のお金が出ていましたし、核・ミサイル技術も流れていました。それが今かなり締められています。制裁の圧力で話し合いの場に引き出すことができているんです。
そうしてもう一つ、金正恩氏の弱点は、父親と比較されることに対するコンプレックスです。自分が、若い指導者だということを言われたくない。その二つのことから、総連に対する執着感がものすごく強いです。
それで総連を助けるために、「拉致問題に言及していいから対日接近しろ」という命令が出たそうです。但し、北朝鮮の内部でも、「日本が本気になったら総連がつぶされる、本当に安倍はどこまでやるんだろうか」という声が出ているそうです。
向こうが総連をつぶしたくないと思っている弱点がある以上、向こうが何かやりたい目的があって日本に接近してきたことは間違いないんですから、向こうも対話を切れないんです。「切る、切る」と脅しながら、切れないのは向こうなんです。
安倍総理は先ほど、「心は私たちと一緒だ」とおっしゃいました。私たちは、期限を切って、あるタイミングで総連の問題や様々な制裁を強めよ、と。自民党が作った13項目の制裁を全部やれ、と。それだけではなく、新法を作って、北朝鮮のような国際テロ組織を支援する日本国内の活動をできないような法律を作ってほしい。
例えば、アイシス(イスラム派過激組織ISIS)のような団体で、日本国内に学校を作って、アイシスの活動が正しいと教えて、学生たちをテロリストとして送り出す、多額のお金を献金で送る、核・ミサイル技術をアイシスに送るような活動をする団体ができたら、それをほっておくのか。
実は同じことを朝鮮総連は、国際テロ組織の北朝鮮に対してやっているんです。今の現行法規でできる限りのメニューは13項目できました。でも立法府でまだできることがあるんじゃないか。
総理が発言したら政策になりますから、具体的なことはおっしゃいませんでしたが、今日も「未来を描くことが困難だと最高指導部に認識させなければいけない」と。この総理の言葉が張子の虎になるかどうか、勝負がかかっているんです。
この一点です。日本は口だけだと思うのか、本当にやるかもしれないと思うのか。それは全国で我々がどのくらい怒りの声を上げられるかにかかっているんではないかと思います。
正念場中の正念場です。しかし、彼らも苦しいんです。我々だけが苦しいのではない。何よりも被害者の人たちが、先ほど家族の方たちがそれぞれ言いましたけれど、向こうにいる被害者の人たちが一番苦しくて、しかし、心の中で希望を捨てないで待っている以上、私たちがいくら苦しくても、負けるわけにはいかないじゃないです。
日本人を助けるのは日本国だ。安倍総理が心はここにあるとおっしゃるならば、私たちと共に日本国で、全員で助け出そうではありませんか。ありがとうございました(拍手)。
櫻井よしこ
もっとも厳しい場面に私たちが直面していることがよく分かったと思います。今日は、各党の皆さん方からの話も、非常に示唆するところが多かったと思います。ご家族の皆さん方からの提言の中にも、是非これを安倍総理に取り入れてほしいと思うことがありました。
そして今、西岡さんの状況説明の中で、基本的に私たちがしなければいけないことのいくつかがはっきり浮かんできました。
今日は山谷えり子拉致問題担当大臣もいらっしゃいます。前の大臣の古屋さんもいらっしゃいます。政権与党の皆さん方、野党の皆さん方、この拉致問題に非常に強い関心を抱いてきた政治家の方々がいらっしゃいます。
この約3時間くらいの会の中で、本当に多くの課題があるということ、しかしその課題をきちんと受け止めて実行すれば、必ず私たちは拉致被害者全員を取り戻せるし、その道を開くことができると思います。
どうぞ今日のお話を、ただこの場限りのお話にするのではなく、心して胸に刻んで、北朝鮮政策に生かしてほしいと思います。国民の私たちも、ただ単に年に何回か集まって集会をしているのではありません。目標を達成するために、日本人として頑張ろう。その思いを日々の中でも周りの人に伝える。そして広げていきたいと思います。
ここで今回の決議案を、民主党の拉致議連事務局長代理、笠浩史さんに読み上げていただきたいと思います。笠さん宜しくお願いいたします(拍手)。