北朝鮮はどう動くか-東京連続集会87 全報告
◆謀略情報は流せるが、日朝協議を切ることはできない
西岡力(救う会会長、東京基督教大学教授) しかし、そういう前例を作ることについて非難しなかった。それよりも6者協議、つまり核開発をやめという圧力を公然とかけた。
そして10月4日には、朴槿惠大統領が天安門の首席台に上って、習近平主席の隣に立っていた。プーチン大統領もいました。そしてスーダンの大統領もいました。スーダンの大統領は、今金正恩を国際刑事裁判所に訴追すべきだと言われていますが、国内の虐殺問題で訴追されて、国連の刑事裁判所から指名手配されている人です。その人が壇上にいた。
国連事務総長もそこにいた。もう潘基文さんは失格だと思います。本当は手錠を持って逮捕しなくてはならない。あそこの壇上にいた人はプーチン大統領も含めて、武力によって今領土を拡張したり、国内で虐殺をしたり、独裁をしている独裁者、軍国主義者ばかりです。それが軍事パレードに来てお祝いをした。
朴槿惠大統領だけが自由陣営の人です。それ以外の人はいかなかった。しかし、その独裁者の集まりにも金正恩は呼ばれなかった。そして朴槿恵大統領は帰国後、習近平氏と朝鮮半島の統一について話したと言っています。
金正恩の立場からすると、自分を抜きにして中国と韓国が統一について話し合った。中国は金正恩政権を倒そうとしているんじゃないかと強い疑いを今持っていますし、その軍事パレードで朴槿惠大統領が習近平の横に立ったということを、北朝鮮の国内でしゃべったという人が国家保衛部に捕まったという情報が来ています。
北朝鮮の人たちの中で、中国が自分たちを捨てるのではないかという強い危機感が今広がっているんです。口コミは抑えられませんし、中国人が嘘をつくとも言えませんし、韓国人が嘘を言っているとも言えません。写真があるわけです。
そういう状況で21日に(パネルの場で)、「拉致調査は終わっている。日本が受け取らない。けしからん」と言えなかった。それを言った場合に、日本政府が反発し、日本国民が反発して日朝協議が断絶するかもしれない。それに金正恩政権は耐えられなかった。謀略情報は流せるが、協議を切ることはできないというのが、状況だったと思います。