ストックホルム合意から1年半‐被害者救出のために今必要なこと 東京連続集会88 全報告
◆「被害者を解放せよ」は弱い立場だからこれを補うためにあらゆる制裁をかける
中山恭子 それと、これについては西岡先生と打合せの上で、「身の安全の確保」を官邸の中で申し入れを行いました。ただその後、7月4日に、「調査委員会を立ち上げました」というので制裁が解除されてしまった。こちらから、そこは非常に注意しなければいけないと申入れをしていましたのに、小さな党ということもありますが、「調査委員会を立ち上げた」というその言葉に対して、制裁を解除してしまった。
拉致問題というのは、絶対的に被害者を取り込んでいる犯罪で、被害者を持っている人々の方が、交渉するにしても絶対的に強い立場にあります。被害者をどうするか、どのようにでもできるわけですから、その身の安全を確保して取り戻す、この立場の違いがはっきりしていますので、被害者を解放せよというのは弱い立場ですから、これを補うためにあらゆる制裁措置をかけたいということです。これを取り払ってしまったら対抗できない。そんな状況にあるというのが今の日本と北朝鮮との関係です。
さらにその後も、10月に北朝鮮に行く時に、なんのために行くのかですが、これは家族会・救う会の皆様からも色々な意見が出されました。その時政府は、「日本側にとって拉致問題が最重要課題であることを伝えにいく」という回答が出ました。
最重要課題であることを10月に伝えにいくとは、一体それまで何と考えていたんだろうかと、本当に悲しくなるような無念な対応でした。
そういうことでなかなかうまくいかなかったこの1年半、「ストックホルムで扉が開かれました」というようなことを政府の方々から言われましたが、この扉が開かれていようと、いまいと、拉致問題の解決には解決がないんだということです。扉が開かれているからこそ逆に、拉致被害者救出につながらないということが現状だということをしっかりと見極めてもらわないといけないという思いです。
扉が開かれたのは、日朝国交正常化のための扉が少し開かれたということで、その前に、拉致被害者救出の動きがなければいけないんです。こちらの扉は閉じていてもらわないといけないということを、皆様に理解してもらいたいと思って、今日配布してくださっているような意見を、機会あるごとに訴え続けているというのが現状です。
本当にストックホルム合意のために日朝で交渉の時間が費やされているとしたら、もっと長い時間、拉致被害者救出については無駄な時間が流れてしまう。何とも言えない、本当に残念な思いが続いています(拍手)。
取りあえずご清聴ありがとうございました。