ストックホルム合意から1年半‐被害者救出のために今必要なこと 東京連続集会88 全報告
◆外務省主導ではだめ、情報を取る機関を作れ
中山 被害者救出が外務省の担当ではないと、外務省が思っている可能性もある。日本内外で被害に遭った日本国民を守らなければいけない。救出しなければいけないという仕事が、外務省の仕事だと心の底からは思っていないのではと考えています。これまでの歴史から。
そうであれば、救出に当たる人々は、外務省がセッティング等はするにしても、救出において北朝鮮と対峙するのは警察であり、公安であり、防衛省まで色々な方たちを官邸直轄で事を運ばないと無理ですと言い続けていました。
今回、西岡先生の文書にもありますように、官房長官は官邸主導でやるとはっきりおっしゃっていますので、そこは本気で官邸主導で動いてもらえたらなと思っています。その形でしっかりした動きをやって、まず被害者救出、国交正常化はその後という考え方をしっかりとった上で、動いてもらえたいなと思っています。
もう1点、分科会の中の拉致被害者のところに、統一戦線部や作戦部は含まれていないのでしょうか。しかも保健省が入っている。ということで、ストックホルム合意以降の動きは何としても止めて、違う形の交渉を進めないといけないということが、西岡先生も私もはっきり見えていると言っていいと思います。
島田 外務省主導ではだめだというのは私も大賛成ですが、官邸直轄の救出のための組織を作らなければならないと思います。具体的に警察庁ですが、法執行の強化では色々と動いていると思いますが、それ以外に警察がどういう点で貢献できると思われますか。
中山 それもまた大変難しい質問です。今の警察にどれほどの情報収集能力があるのかということが1つありますよね。またいざという時に動けるか、または他の省庁と協調した形で動けるか。
日本はあまりにも情報に弱い。戦後、諜報活動は悪いことだとみんな思わされました。しかし、武力を使わないで日本が独り立ちしていく、または日本が平和を維持する、自国の国民を守るためには徹底して正確な情報を握りあらゆる情報機関と一緒になって北朝鮮に対峙する、この形がなければ日本としては今後も非常に危うい動きになるだろうと思っています。
ですから、日本の警察が他の国の情報機関とも一緒になって動けるのか。救出するのは日本しかないんです。日本が救出するに当たっては徹底した正確な情報が必要で、逆に北朝鮮に他の国々からも情報を入れていくといったような、あらゆることをしないと救出につながらないということが言えるのではないかと思います。
警察が入って何ができるかというと、情報を中心にして、脅しといってはいけないかもしれませんが、色々なことを条件を出して交渉するところまえやらないといけないだろうと考えています。