ストックホルム合意から1年半‐被害者救出のために今必要なこと 東京連続集会88 全報告
◆韓米軍が北進する時、被害者がいる金正日政治軍事大学が爆撃されないか
西岡 その点については、針の穴にラクダを通すようなことかもしれませんが、1つだけ方法があります。韓米合同司令部というのがあります。司令官はアメリカ人で、駐韓米軍の司令官です。(北朝鮮が)大混乱になった時に、韓米軍は北進する作戦計画を持っています。その地域の治安を維持するに至った場合は、当局が韓米合同司令官になります。司令官の同意のもとに、残留ゲリラが働いているような時に行くということ。
特に、金正日政治軍事大学等の武装解除をする時に、私はそれが一番心配なんですが、そこにいるのはテロリストですから爆撃して、焼け野原にしてから行った方が安全なんです。しかし、そこに被害者がいる可能性が高い。そういう作戦をする時に、米軍司令官の同意のもとに、「危ないことを自衛隊にさせてください。日本人がいるかもしれないから」と。
特殊部隊の人たちの中には、「行ってもいい」と言っている人たちがいるわけです。訓練も積んでいます。そういうことも含めてアメリカと話をしているのであれば、韓国の同意もいるし、色々なことがあります。簡単ではありませんが、現行法規でできうる解釈上の余地は残っているし、もう少しできるように法律を変えていただきたいと思いますが、今法律が通ってしまった以上、そのことについては、ありうるんだということで是非努力をしてほしいと思っています。
もう一つ。北朝鮮はまだ交渉を切っていない。「欲しいものがある」と言いました。こちらは被害者の一括全員帰国しかないわけです。北朝鮮に明白に我々のスタンスを伝えなければいけない時期です。
拉致問題の解決の定義は、3つあります。第1は認定の有無に関わらず全被害者の安全確保と帰国。第2は拉致問題に関する真相究明。第3は実行犯の引き渡しです。国際法上は補償が入ると思います。
それで解決だと思いますが、私は、1と2、3については時差があってもいいと考えています。今優先すべきは1です。生存者の帰国です。それも一括全員です。そのことをするならば、こちらは何をするのかということに関する条件の交渉を、密使同士が始めるステージに早くなってほしいと思います。