ストックホルム合意から1年半‐被害者救出のために今必要なこと 東京連続集会88 全報告
◆帰国の条件について話すべき時
西岡 官邸主導で、総理が自由に動けるようにしたという中に、こういうことが含まれていなければならない。その時に、北朝鮮側にも伝えたんですが、帰ってきた人たちがどういう行動をとるのか。蓮池さんや地村さんたち、帰ってきた人たちは、帰って来て日本に残ると言った直後に、「横田めぐみさんは、北朝鮮の発表では93年死亡と言っていますが、94年まで私たちと一緒の地域に住んでいました。元気でした」と教えてくれました。家族がまだ北にいるのに、一定の危険を冒して教えてくれました。
しかし、それ以上のこと、例えば金正日氏の私生活とか、北朝鮮の体制矛盾に関わることは、今になっても本に書いたりしていません。我々はちょっと不満だったのですが、日比谷公会堂の国民大集会にも、曽我ひとみさんはお母さんの救出がありますので出てくれますが、4人は出てきていません。
めぐみさんや八重子さん、るみ子さんたちが帰ってきた時に絶対聞かなければいけないことは、他の被害者に関することです。北朝鮮が死んだと言った人は本当にそうなのかとか、これで全員なのか、他の被害者について聞いていませんかということについては、お話を聞かせていただければならないし、それを公開しなければならないと思います。
しかし、その後どういう行動をとるのかということについては、蓮池さんたちは次の人たちが帰ってこれるように慎重に行動したいと言って、反北朝鮮運動の先頭に立つとか、北から見えるような行動はしなかった。当事者がそれでいいというなら、日本社会はそれでいいんです。静かに家族の元に帰ってきてほしいと我々は運動をしてきたんですから。
そういうことも含めて、返したくないのは秘密が漏れるからということであれば、本当に返す決断をするならば、様々な条件に付いて話し合う準備がある、と。北朝鮮はけしからんと言っている西岡でもそう言っている、ということを今日はっきりと言っておきたいんです。
そして欲しいものがあるんでしょう、と。交渉は止めないんでしょう、と。安倍政権から何か取りたいというのなら、安倍政権はあと3年は続くので、取りたいなら全員返す決断をするしかないですよ、と。あなたのお父さんは一部認めるといって決断したじゃないか。それで失敗したのは全員じゃなかったからだ。全員返すという決断をしなさい、と。その中で安倍総理が迎えに行くことはできます、と。
迎えに行ったことを、北朝鮮の中で、「安倍が白旗を持ってきた」と宣伝することは勝手にやることであって、我々が関与することではありませんから、色んなことができ得るはずだ。そのためには、外交交渉ではできないので、官邸の中にチームがあって、そして対策本部が持っている情報も使う。
そういう意味では官邸にいた側近中の側近が対策本部の大臣になっている時に、今まで秘密交渉をしていた人をはずしたというのは一つのメッセージで、本気になって話をしましょうと日本は言っているんだ、と。
北朝鮮から聞こえてくる内容からは、どうも年内は動きがないのではないかと思われます。11月、12月も苦しい時期が続くと思いますが、しかし、まだ向こうは欲しいのもがあって、止めていない中で、本当の勝負ができるようになってほしい。
我々から見ると、安倍政権のやり方は、根本は間違ってないと思いますが、すごく遅く、もうちょっとと色々思いますが、中にいるとまた色々な事情があるのかもしれない。しかし、評論家ではないので、取り戻すことだけが目的なので、条件の話し合いをしましょうよ、と。
しかしその時に、絶対譲れないのは日本の拉致解決の定義の1番だ、と。認定、未認定にかかわらず、すべての被害者の帰国です。今回金正恩氏が、「この人はだめだ」としたら、もう金正恩氏が生きている間、「8人死亡」と同じようなことが、今度は金正恩時代に続くことになる。それはだめだ、と。全員、1回で返しなさい、と。そしたら、2と3については、時差があってもいいと、一番過激な西岡も言っている、ということを是非伝えたいと思います。