ストックホルム合意から1年半‐被害者救出のために今必要なこと 東京連続集会88 全報告
◆中山先生が、「被害者を加害者の元に返すということは絶対ない」
横田 滋(横田めぐみさん父、家族会前代表)
先ほど、中山先生から、北朝鮮が(被害者を)日本に研修みたいな形で(一時帰国として)出すという話があった時のことなんですが、我々には正式のものではないかもしれませんが、家族会の意見も聞かれました。人数も今より少なかったわけですけど、その時には日本に帰りたいとか、もう帰らないとか両方のことがあるわけです。それは本人たちが一番困るので聞きましたら、「やはり日本に行きたい」という答えがあったようです。その時中山先生が、「被害者を加害者の元に返すということは絶対ないから」と言ってくださったのですが、そうすると出張ですから、財産をたくさん持ってくるとか、貴重品を持ってくることはできなかったわけです。
(北朝鮮の随行者の)男の人は年配の方で、「(一時帰国の)約束は約束だ」という人もいたらしいですが、そういうことがあったということです。それで結局日本に来ることになったのですが、子どもを連れてくるのであれば簡単で、問題はないんですが、子どもさんは帰ってこれないので、結果的には1年半くらい遅れましたが、結局日本に久しぶりに帰ってくることができたわけです。
それで仲間同士で新潟に旅行をして、そこでは北朝鮮のバッジをしていたんですが、そのバッジをみんなそこではずしてしまったりして、やっぱりこっちがいいなあということになってしまった。それが結局通ってしまって、子どもさんも帰ってこられたので非常によかったわけです。
我々に権限があったというより、口をすべらせたのを聞いていたというようなことではないかと思いますが、訪ねてきた人もいらっしゃいましたが、それは基本的には中山先生がおっしゃったように、「被害者を加害者の元には絶対返さないんだ」という言葉が全体に広がりました。みなさん口ではそう言いますが、何も権限はありませんので、そういうことが多少政府の方に役立ったのではと思っています。