国際セミナー「日朝拉致協議をどう打開するか」報告
◆北朝鮮に対して最後通牒を突きつけるとき
平沼赳夫・拉致議連会長 北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟会長の平沼赳夫です。本日の国際セミナーの開催に当たり、主催者として一言ご挨拶申し上げます。
本日のセミナーには是非とも出席したかったのですが、残念ながら、かないませんでしたことを、まずお詫び申し上げます。
昨年7月に北朝鮮が拉致被害者の再調査を開始してからもう1年半になりますが、未だ拉致被害者の帰国は実現しておりません。この北朝鮮の裏切りに対し、日本国民の怒りは沸騰しております。政府は、この国民の怒りを背に、北朝鮮に対して最後通牒を突きつけるときです。
「行動対行動」で制裁を解除したのですから、相手が約束を破って誠実に「行動」しない以上、こちらも解除した制裁をもとに戻すのは当然です。さらに、認定の有無に関わらず、北朝鮮に囚われている全ての被害者を一刻も早く救出するため、ありとあらゆる手だてを早急に講じるべきです。
拉致議連は、本年7月、総理官邸において、安倍総理に対し直接、「全ての拉致被害者の早期帰国実現に向けた要請」を行いました。その中には、対北朝鮮措置の再開と更なる強化、厳格な法執行の徹底、国際社会と連携しての圧力強化など、北朝鮮の最高指導者に決断を迫る有効な手立てが網羅的にリストアップされています。そして、北朝鮮に対するこれらの強力な武器を「いつでも発動してください」と私から総理に手渡したのです。
その際、私は総理に、「拉致被害者御家族の皆様はご高齢になられ、もはや一刻の猶予もない。『拉致問題の解決なくして北朝鮮は未来を描くことはできない』との総理の言葉を行動で示していただきたい」と申し上げました。それに対して総理からは、「我々のメッセージが北朝鮮の最高指導者にきちんと伝わっているかどうかが最も重要であり、金正恩第一書記と相当近い関係にあると言われるリ・スヨン外務大臣に岸田外務大臣から直接働きかけさせる」とのお話がありました。
そして8月6日、クアラルンプールで岸田外務大臣からリ・スヨン外務大臣に対して、一日も早い全ての拉致被害者の帰国を強く求めたということでありますが、それからもう4カ月余り経つのにまだ何ら進展が見られません。いつまで待っていても金正恩が決断しないなら、もう総理に託した強力な武器を発動していただくときです。認定の有無に関わらず、拉致被害者全員の帰国を、期限を切って北朝鮮に求め、期限までに返さなければ、あらゆる制裁措置を発動すると通告していただきたい。
本日のセミナーには、金正恩政権の現状について、キム・ソンミン先生にご講義いただくとともに、朝鮮総連問題について、西岡先生、恵谷先生、コ・チュンウイ先生、ホン・ヒョン先生にご講義いただきます。さらに、我が同志である各党拉致問題対策本部長に、日朝拉致協議をどう打開するかのご意見を伺います。
拉致問題を解決するには金正恩に決断させなければなりません。そのためには、金正恩政権の現状をしっかり把握、分析することが大前提となります。また、金正恩に決断を迫る上では朝鮮総連に圧力をかけることが極めて有効です。本日のセミナーが、膠着状態にある日朝協議を打開し、全ての拉致被害者を一刻も早く祖国と御家族のもとに取戻すことにつながることを祈念申し上げ、私の挨拶とさせていただきます(拍手)。
西岡 続きまして、来賓として加藤勝信拉致問題担当大臣に来ていただきました。宜しくお願いいたします。