国際セミナー「日朝拉致協議をどう打開するか」報告
◆「自分でなければ北朝鮮ではどんなこともうまくいかない」と考えていること
金聖●(自由北朝鮮放送代表) この他にも金正恩の大小の失敗は数え切れない程多いのですが、見逃してならないのは、「自分は全てのことをみなすることができ、自分でなければ北朝鮮ではどんなこともうまくいかない」と考えていることです。
過去に独裁者金正日は、1996年12月7日金日成総合大学創立50周年記念行事で、「我が国の食糧難は胸が痛いくらい深刻で、これによって非社会主義的現象が発生している」と話したことがあります。その一方で彼は食糧難の責任を幹部、特に経済実務責任者に押し付けて次の通りに話しもしました。
「一人で党と軍隊の責任を負うのも大変なので、経済実務事業まで受け持つことができない。だから、経済実務事業は党中央委員会の責任者が責任を負って遂行しなければなりません。私は一人で党と軍隊をはじめとする重要部分だけ担当すべきで、経済実務事業まで受け持てば革命と建設に回復不可能な後禍を及ぼすかもしれません。首領様(金日成)におかれては生前に私に、絶対に経済事業に巻き込まれてはいけない、経済事業に巻き込まれれば党事業もできなくなり軍隊事業もすることができないと何度も話されました」
結局、統治はするものの責任は負わないという金正日のやり方にも遥かに至らない行動パターンを金正恩が見せているということです。これ見よがしで、実績を積むことのために、自分が直接、水遊びプール施設も指導し、乗馬場建設も指導した。スッポン農場や科学者アパート建設現場の視察で、金正恩が歩き回らない所はありません。
しかし、平壌市アパート崩壊事故のように責任を他の人々に押し付けているが、時間の経過により金正恩の責任論は必ず出てくるはずです。
(●=王へんに文)