国際セミナー「日朝拉致協議をどう打開するか」報告
第2部 新たな圧力手段としての朝鮮総連問題
島田洋一・救う会副会長 それでは第2部を開始します。今日の講師の方々は、いずれもここだけでしか聞けない、大変貴重な、内容のあるお話になると思います。
それでは一番手として、高忠義(コ・チュンウィ)さん。朝鮮総連の元活動家ですが、最近、朝鮮総連に対して提言書を発表されました。その中で拉致問題についても、「しっかり責任を認めて日本人拉致被害者の全員解放と帰国、日本人配偶者の自由往来の実現等、明確な要求を出しておられます。先日、「産経新聞」でも、高さんの話が紹介されました。それではお願いします(拍手)。
■朝鮮総連への提言
高忠義(元朝鮮総連活動家) 昨日まで普通に暮らしてきた私ですが、急にこのような場で挨拶をしろと言われまして、本当に戸惑ったのですが、公開させていただくことにしました。
この度、朝鮮総連に対する提言書を出しました。どうしてこのようなものを出したのか。最初にお断りしておきますが、私は今年で70歳です。活動家として働いていたのは30歳前後のことですから、亡霊が出てきたように思われるかもしれません。
◆もうどうにも黙っていることができなくて
しかし、貴重な青春の時期に、全力を傾けて活動しました。既に頭に去来する矛盾の数々をいつか決着をつけないと、どうにも心が収まらない。そんな気持ちでいました。私もつくづく、執着心の強い、しつこい人間だと思います。それと、納得のいかないことに対して、黙っていることは罪ではないかとも考えます。
拉致問題について、社会主義国家がそんなことをするはずがないとか言って、してきたことへの反省もなしに、また北朝鮮の悲惨な映像についてそれは作り物だと、都合の悪いことを未だに隠そうとしている総連の体質に、もうどうにも黙っていることができません。
そして、10月18日、新宿のホテルで行われた在日本朝鮮商工会の設立70周年祈念パーティの時に、総連中央の幹部も出席すると言われたその場で、この提言書を配布したのです。
110部用意しましたが、500人以上の参加者がいて驚きました。それでも前の席から数十枚配ったのですが、途中で主催者から、「許可なしに何をやっているんだ」と阻止されてしまいました。
その後、この参加者の中のどなたかが、私の知らないところで、この文書を色々なところに広めてくださったのです。それがマスコミの関心を呼び、この提言書の本気度を示すために、本名と電話番号を書いていたため、このところ連日のように、新聞社、週刊誌、テレビの取材を受けることとなっているところです。
配布資料では、元活動家となっていますが、最初は商工会会員でした。それはこのことで、地元の総連支部委員長から抗議を受けて、商工会から追い出され、「今後会員の場では発表するな」と言われました。それは支部長が上部から、「お前のところの支部は何をしているんだ」と言われたからだと思います。
でもこれを書いた時は会員でしたので、会員としてもいいのですが、今日のところは、「元活動家」としています。