国際セミナー「日朝拉致協議をどう打開するか」報告
◆日本だから抗議できる
高忠義(元朝鮮総連活動家) でも、ここは日本です。抗議の声を上げることは、やろうと思えばできるんです。同胞のほとんどが私と同じ考えだと思っています。この文書を非難しようとする人は誰も、配布のやり方について非難するだけで、この内容については非難しません。できません。
私は意見の違う者と話し合う時、いつも自分が相手の立場だったらどうだろうかと考えるようにしています。自分の都合だけとか、自分にいいように言っていないだろうかと自分を戒めたいからです。
しかし、犯罪者相手にこの考えは当然通じません。拉致犯罪を犯し、今もなお被害者を解放しないで罪を犯し続けている北朝鮮政府に対しては、追いつめるしかないと思います。
私はよく、過激なことを言う人間だと言われます。この提言書も、見るものが見れば相当過激なものです。過激ついでに言わせてもらいます。拉致被害者のご家族の心情を思いますと、日本が憲法を変え、自衛隊を軍隊にする。拉致被害者を取り戻すために軍事侵攻してもいいのではないかとまで思ってしまいます。そうしても、自国民を取り戻す行動は許されることだと思います。
でも私は、このことには被害者家族の方には申し訳ないですが、絶対に反対します。そんなことをしたら、これまでの70年間、日本人が築いてきた平和が根本から崩されてしまいます。
そこで私の提案ですが、北朝鮮は世界百二十数か国と国交を結んでいます。そのすべてに、日本の大使館、領事館があると思います。そのルートを通して、北朝鮮と国交を結んでいる世界の国に、「あなたの国は犯罪を犯している。拉致被害者を解放しなさい」という日本政府の要望を伝えさせてはいかがでしょうか。
毛沢東の息子は、朝鮮戦争に義勇軍として参加し、戦死した。あの中国でさえ、最近は北朝鮮のやり方にあきれ返って、距離をおいている状態です。もちろんこれまでも日本政府は頑張っておられると思いますが、それを強力に進めてはどうでしょうか。大して何も知らない私が、口幅ったいことを申しますが、素朴な提案です。
最後に、私は皆さんに対して、何のお手伝いもしたことがありません。一介の電気通信技術者です。自分のうっぷんを晴らすためだけに、この提言書を配布しただけのことです。それがこのような場にお誘いいただくことになりました。
そんな私が、皆さんの前でお話するようなことは、最初は悩みましたが、少しでも皆様の運動のお手伝いができればと思って、ここに参加させていただきました。皆さん、頑張りましょう(拍手)。