国際セミナー「日朝拉致協議をどう打開するか」報告
◆【レジュメ】すぐできる法執行-「韓国」「朝鮮」別の在留統計を
・朝鮮総連組織員が在日朝鮮人社会の中で完全に少数者になっていることを統計で公開すること。
・法務省入国管理局は毎年、国籍・地域別在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計を公表している。過去、1970年までは、「朝鮮」と「韓国」の統計を公表していた。ところが、1971年以降、「韓国・朝鮮」の合計数しか公表しなくなった。そのころから、韓国を支持する「韓国」籍が「朝鮮」籍を上回り、朝鮮総連が在日社会の多数派を代表するという北朝鮮の主張が虚偽であることが明らかになっていたが、日本当局が突然、「韓国」「朝鮮」別の統計を非公表としたため、総連の勢力衰退が隠されてしまった。
・なお、外国人登録は南北が分断する以前から始まった関係で、当初は「朝鮮」しかなかった。その後、「韓国」を支持する者らが書き換えを行なってきた。実は、1965年に日韓修交に伴い、「朝鮮」から「韓国」に変更する人数が増え、最後に「韓国」「朝鮮」別の統計が公表された70年では「韓国」54%、「朝鮮」46%と逆転していた。
・現在は、戦前から日本に在留している者とその子孫である特別永住者の「韓国・朝鮮」の合計は約35万と公表されているが、総連に加盟していたり、韓国を支持しないなどの理由で「朝鮮」を維持している数は、5万を割って3万から4万になっていると推計される。しかし、現在でも北朝鮮は60万在日朝鮮人が北朝鮮を支持する総連に結集していると宣伝している。
・したがって、1970年以前の統計公表方式に戻って、「韓国」と「朝鮮」を別々にした統計を公表すれば、北朝鮮当局と総連に大きなダメージを与えることができる。現行法規で十分できる北朝鮮に対する圧力手段である。
・法務省入国管理局は「韓国」「朝鮮」別の統計を公表しない理由といて、そのような統計を取っていないと答えているが、1992年末現在の「韓国」「朝鮮」別の統計を問い合わせに答える形で明らかにしている(別冊宝島221『朝鮮総連の研究』51頁)。
・ちなみに、同じ統計において2011年までは「台湾」出身者は「中国」に含められて公表されていたが、2012年から「中国」と「台湾」は別々にされて統計が公表されている。在日韓国・朝鮮人統計でも同じことを行うことは政治の決断があれば可能なはずだ。
島田 ありがとうございました。続いて、「拉致と総連 工作員接線ポイント分析」というテーマでジャーナリストの惠谷治さんにお願いします。惠谷さんは、今回関連個所を100か所以上調査され、私も一部参加しました。そうした現地調査を踏まえてお話をしていただきます。