国際セミナー「日朝拉致協議をどう打開するか」報告
◆怒りこそ今必要なこと
西岡 力(救う会会長、東京基督教大学教授) ありがとうございました。総合司会として一言まとめのことばを申し上げます。今中山先生が言ったのでは、私は低すぎると思います。国交正常化の前に全員取り戻す方針ではだめだと思います。全被害者の一括帰国以外ありません(拍手)。おっしゃっていることは同じだと思いますが、今政府の目標は「全被害者の一括帰国」です。
総理は、「拉致問題の解決なしには北朝鮮が未来を描くことは困難だと認識させなければならない」と言ったんです。拉致問題が「進展」しなければとは言っていません。5人の被害者が帰ってきた時は、大きな進展でした。
しかし、多くの人たちが残されて13年経ちました。今、待っているんです。私はいつも曽我さんの言葉を言いますが、曽我さんはいつも夜になって月や星を見て、「同じ星が日本で見えているだろう」、「いつ日本から助けが来るんだろうか」と毎日思っていたそうです。
その人たちを今回積み残すことができない。全員一括で今回の交渉の結果帰ってこないならば失敗です。背水の陣をひいていただいて、できる限りのことをすべてしていただきたい、ということです(拍手)。
今日は集会ではなかったので決議はしませんでしたが、9月13日に我々が先生方と一緒に5団体で、家族会・救う会・拉致議連・知事の会・地方議員の会と2000人の参加者とともに決めたことを、もう一度読みます。
一、北朝鮮は全拉致被害者を一括して今すぐ帰国させよ。
二、日本政府は北朝鮮に対して、全被害者の一括帰国を要求し続けよ。全被害者の一括帰国を約束しない「報告」や「死亡の証拠」などを受け取ってはならない。
三、日本政府は、全被害者の一括帰国の期限を設定し、それが実現しなければ昨年の合意を白紙にして、未来を描くことが困難になるような強力な制裁と国際圧力をかけると通告せよ。
そして今日、憲政記念館で朝鮮総連問題をやったことに関係することですが、
四、立法府は、テロ集団を支える活動をわが国内で行うことを阻止する新法を作れ。
こういうことを先生方と一緒に決議しました。日本国内で朝鮮労働党の工作機関の基地がある。それが拉致の犯罪を支えていることについて、厳格な法執行がありますが、それでも放置されているのであれば、法律を書き換えてもらいたい。
日本は法治国家ですから、法に基づいて捜査が行われるという議論をここでしているということが強い圧力です。9月の決議にある通り、また今日朝鮮総連の具体的な問題点を話し合った通り、各党の対策本部で是非議論していただきたいと強く願っております。
いよいよ正念場中正念場です。まだ北朝鮮が止めたとは言っていないことに、一定の機会が残っていると思います。彼らも日本から取りたいものが残っている。それを先にわたすことはできない。全被害者の一括帰国までは、日本は絶対に動かないんだと、何人かの先生から「怒り」という言葉がありましたが、怒りこそ今必要なことだと思っています。
そのために具体的な事実関係を今日勉強しました。それに基づいて、是非政策を作っていただくために議論していただきたいと思います。
ちょうど時間となりました。ありがとうございました。
以上