拉致も理由に北朝鮮に強力な制裁を?緊急集会報告
◆北朝鮮に対して、断固かつ毅然たる対応を行っていきたい
加藤勝信(拉致問題担当大臣)
今日多くの方々にお集まりをいただき、担当大臣としても厚く御礼申し上げます。また、皆様方には、平素よりこの拉致問題に大変高い関心を持っていただき、そして解決に向けて様々な活動をしていただいていることに改めて御礼申し上げます。
今西岡会長からお話がありましたように、残念ながら一昨年7月に、北朝鮮が特別調査委員会を設置して、拉致被害者を含むすべての日本人について調査を開始する、としてからもう1年半以上が経っています。
この間、一人の拉致被害者の帰国どころか、その帰国に向けての具体的な道筋も見えていないという本当に遺憾な状況です。
改めて申し上げるまでもなく、拉致の問題はわが国の主権、そして国民の生命と安全にかかる重大な問題であると同時に、拉致された方々の貴重な未来、夢を断絶し、本当に貴重な家族との関係も切り裂くという人道上も由々しい問題です。
そして今、西岡会長の話のように、北朝鮮の地は本当に寒い、厳しい冬を迎えているわけです。数十年も迎える中で、日本に帰ってこられることを一日千秋の思いで待っておられる被害者の方々、そしてその方々が帰ってこられることをお待ちになっているご家族の方々も歳を重ねておられます。こういう思いを私たちもしっかり共有して取り組ませていただきたいと思っています。
そうした中で、ご承知のように、国際社会の中で北朝鮮の人権問題に対する、これをどうにかしていかなければならないという気運が大変高まっています。2014年2月、北朝鮮における人権に関する国連の調査委員会が、北朝鮮における人権蹂躙の実態について詳細な報告書の公表をしました。
これを国連総会では、北朝鮮における人権侵害を国際刑事裁判所に付託することの検討を求める厳しい内容の決議を、圧倒的な賛成多数で、一昨年そして昨年と採択をしました。 また安保理でも、拉致問題を含む北朝鮮における人権侵害の状況が2年連続議論されています。
先週18日には、ダルスマン・国連北朝鮮人権状況特別報告者が来日し、私も面会しました。日本のこの問題に対する取組み、そしてダルスマンさんの取組みについてお話をいただきました。
飯塚代表を初め、家族会の方とも話をされたとお聞きしていますが、同特別報告者の6年間に及ぶ地道な活動が、北朝鮮の人権状況に対する厳しい国際世論形成の大きなバックボーンになっていると思います。
拉致被害者の一日も早い帰国、そしてもはや一刻の猶予も許されないという思いを共有するとともに、できる限り力を尽くしていくと大変情熱的におっしゃっていただきましたが、私もそういう思いを共有しながらしっかりと取り組んでいかなければならないという思いをいたしたところです。
こうした国際社会の連携に向けて、国連の人権プロセスで緊密に協力したEU初め関係国としっかりと連携を取りながら、特別報告者とともに北朝鮮に誠実な、具体的な行動を促すために、最も効果的な具体策をしっかりと見出し、その実現をはかっていなかればならないと考えています。
そうした中で、この1月6日に、北朝鮮は4度目となる核実験を実施しました。今回の核実験は、わが国の安全保障に大変重大な脅威であり、断じて容認することはできません。
今月8日には、衆議院と参議院の両院委員会において、北朝鮮による4度目の核実験に対する抗議の決議を採択していただきました。まさに、オール・ジャパンで北朝鮮に対して、明確なメッセージを発出していただいたところです。
また現在わが国は、今年から安保理の非常任理事国になっており、北朝鮮に対して、強い、実効性のある安保理決議の採択に向けて積極的に取り組んでいます。
また、わが国独自の措置についても、安倍総理より、既に自民党の拉致問題対策本部でまとめていただいた案も含め検討するように指示を受けています。北朝鮮に対して、断固かつ毅然たる対応を行っていきたいと考えています。
政府としてこのような取り組みを通じて、拉致、核、ミサイルという諸懸案の包括的な解決に向けて、具体的な行動を取るよう、北朝鮮にしっかりと強く求めていきたいと思っています。
そして特に、拉致問題に関しては、わが国として衆参両院の決議、そして家族会・救う会からも緊急声明を出していただいています。各党からも緊急声明をいただいています。
こうしたものをしっかりと念頭に置きつつ、対話と圧力、行動対行動の原則のもと、北朝鮮に対して厳しい圧力をかけながら、他方で対話の窓口をわが方から閉ざすことなく、すべての拉致被害者の方々の一日も早い帰国に向けて、全力で取り組んでいくことを考えています。
どうか引き続き、ご出席の皆様方にも今後ともご支援、ご協力いただきますことをお願い申し上げて、私からの挨拶とさせていただきます(拍手)。
西岡 ありがとうございました。加藤大臣は現職大臣ですから、私たちからするともう少し踏み込んで、どうすると言ってほしいところもありますが、しかしここに来ていただいて、私たちの声を聞いていただいていることに感謝しています。
そして大臣を経験して、与党と野党の立場ですが、様々な情報もご存じの上で、政府に何ができるのかということを、自分でやった経験を持っておられる三人の元大臣がかけつけてくださいました。
これだけの大臣と元大臣が集まる場はなかなかないと思いますが、この厳しい状況で、特に核実験があってミサイルも発射するかもしれないという中で、拉致の旗が大嵐の中で飛んでいってしまうのをどうやって避けて、逆にこの大嵐を拉致解決にどう有効に使えるか、そういう問題意識を持って、少し踏み込んだところも含めてお話いただければと思います。
まず、先ほど加藤大臣のお話にもありましたが、自民党の拉致対策本部で、昨年6月に、北朝鮮に追加制裁するならこの13項目だということをまとめてくださいました古屋圭司本部長にお願いいたします(拍手)。