拉致も理由に北朝鮮に強力な制裁を?緊急集会報告
◆アメリカがわっと動く可能性がそこまできている
古森義久(産経新聞ワシントン駐在客員特派員)
私は、まだ日本政府が動いていない段階の時に、たまたまブッシュ政権が出てきて、非常に前向きに日本人拉致問題について対応してくれた時期に、家族会・救う会の方々がいらっしゃって、橋渡しをさせていただいたということから拉致問題に関わりました。
そして、早紀江さんたちがいらっしゃった時に、今でも覚えているんですが、ワシントンの記者クラブ、ナショナル・プレス・クラブという大きなところで記者会見をやっていて、早紀江さんが色々話をし始めた。
その時、通訳をした日本人がいたんです。山谷えり子さんの弟さんで伊藤貫さんという人がいたんですが、通訳の途中、ピタッと声が止まっちゃったんですね。何で止まったのかと思ったら、早紀江さんの言葉を聞いて、こみあげてくる涙で、自分が泣いちゃって何も言えなくなってしまったのです。
こういう人までが感動されるもの、真実というものが拉致問題にはあるんだなあと。早紀江さんが切々と訴える心です。そのことで、私にもできることがあれば何かしなければならないと感じたわけです。
今回のアメリカの様子を見ていると、やはりオバマ政権はブッシュ政権よりも何となく消極的なところがありますが、それでも動いてきている。議会も動いてきている。やはり日本人が北朝鮮当局に拉致されたままなんだということ自体が、全く知られていなかった時期が、随分続いたわけです。
そのアメリカの動きと呼応したように、国連で2年くらいまえから、全く新たな激しい動きが始まった。ダルスマン特別報告者や、カービーというオーストラリアの元判事の方(北朝鮮における人権に関する国連調査委員会元委員長)たちが、我々が想像できなかったくらい、日本人拉致に焦点を合わせて、心を込めて、必死な動きをとって、北朝鮮を狼狽させているわけです。
北朝鮮の外務大臣を先頭として、カービーさんらを黙らせなければいけないと、ありとあらゆるキャンペーンをして、「カービーは女性に興味がない人間だ」とか、非常に悪い言葉を使ったことが随分ありました。
また古屋先生がやっておられる、アメリカ人のデヴィッド・スネドンという青年が、状況証拠から見て、北朝鮮に拉致されている疑いが濃厚ということです。物的証拠に近いものもある。
ですからアメリカが動こうとしていることの日本にとっての意味は多々あるわけで、それは直球で、素直で分かりやすい形でなかなか出てきません。それを古屋先生たちの動きの中で、アメリカが少しずつ動き出した。それがわっと動く可能性が、ついそこまであるわけです。
やはり超大国のアメリカですから、当然軍隊を送ってでもその国を破滅、破壊させるくらいのことをやるわけですが、そういうことを知りながら日本がそれをできないという同情もあります。アメリカが動くということは、拉致問題の解決にとって重要であり続けると私は認識しています。
基本的にはジャーナリストとしてワシントンにいますが、できることがあればやりたいと思っています。やはりアメリカの動きというのは、民主党、共和党と違いはありますが、やはりアメリカが国民のレベルでみんなが持っている人道主義に基づく情熱は何政権でもあるわけです。
また日本が大好きだという人たちが多数派ですから、その動きをみつめていくことは非常に重要だと思います(拍手)。
西岡 ありがとうございました。今日は緊急集会ですので、決議案を準備させていただきました。決議案の朗読を、救う会副会長の島田さんにお願いします。