救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

拉致も理由に北朝鮮に強力な制裁を?緊急集会報告



◆決議案採択

島田洋一(救う会副会長、福井県立大学教授)
決議案
 私たちは本日、〈「再調査」から1年半、全被害者を返せ!緊急集会〉を開催した。政府から担当大臣、与野党から元担当大臣にも参加いただいた。
 本年1月4日で、北朝鮮がいわゆる「特別調査委員会」による「再調査」開始を公表し、日本政府が見返りに3つの制裁を解除してから1年半を超えた。しかし、未だに一人の被害者の帰国も実現していない。極寒の地で助けを待つ被害者たちを思うと言葉を失う。政府は1年半になる4日に、追加制裁の発動や被害者帰国期限の設定を行わなかった。私たちはその時点で、これで全被害者を本当に取り返せるのかと強い怒りと苛立ちを覚えていた。
 その2日後の1月6日、北朝鮮はまたしても核実験の暴挙に出た。政府は国連安保理に追加制裁決議を促し、我が国独自の厳しい制裁も実施するとしている。独自制裁については、自民党の追加制裁13項目案を参考に検討されている。これについても私たちは悔しい思いを持つ。なぜなら、昨年6月、自民党拉致問題対策本部がまとめた同案は、1年を経ても拉致被害者帰国が実現していない場合の方策として立案されたものだからだ。ところが、1年半を過ぎても発動されない中、核実験がなされた途端、それへの対抗措置としてにわかに発動が検討されるに至った。13項目は拉致被害者救出のために準備されたものではなかったのか。これでは拉致問題が置き去りになりかねないと強く憂慮している。
 私たちは1月6日、緊急声明で「拉致問題と核問題両方を解決するという姿勢を堅持すること」を政府に求めた。「拉致被害者帰還を求める交渉を維持せよ」とも主張した。ただしそれは、成果が出ていないストックホルム合意に基づく交渉をただ安易に続けよという意味ではない。すでに私たちは、昨年9月13日の国民大集会で「全被害者の一括帰国の期限を設定し、それが実現しなければ合意を白紙にして、未来を描くことが困難になるような強力な制裁と国際圧力をかけると通告せよ」との決議を行った。

 私たちは本日、「再調査」開始から1年半を過ぎても一人の被害者の帰国すら実現できていない現状に改めて強く抗議すると共に、以下の2点を政府に求める。

1、「再調査」開始後1年半を経ても被害者帰国が実現していないことを理由に明記し、強力な制裁を北朝鮮にかけること。

2、国連安保理で調整中の新たな制裁決議では、その発動理由に必ず拉致を含む人権侵害を明記させること。

平成28年1月28日
「再調査」から1年半、全被害者を返せ!緊急集会参加者一同(拍手)

西岡 ありがとうございました。大臣また各党の先生方、この決議は我々の怒りの声です。是非、重く受け止めていただいて、持ち帰っていただきたいと思います。
 西村先生が、「戦わなければならない」とおっしゃいました。私は冒頭から、「怒りが必要だ」と言いました。希望を持つことをあきらめることをお互いに言い合っている場所に、約40年も被害者が置かれたままです。
 そして1年半前からは、調査が始まったという希望を聞きながら、何も来ない。逆に今回の調査で、(被害者が)「私は死んだ」と、「未だに政府のリストにない」と思って、今晩も月や星を、めぐみさんや、るみ子さんや、八重子さんや、薫さんたちが見ている。
 日本人を救うのは日本人しかない。我々の手で絶対に救い出そうではありませんか(拍手)。ありがとうございました(拍手)。

以上

  
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