東京連続集会89 最終決戦は続いている 制裁強化と国際連携の圧力で全被害者を救出しよう
◆2年前より今の方が情勢は有利
西岡力(総合司会、救う会会長、東京基督教大学教授)
そういう風に思うと、2年前より今の方が情勢は有利だと私は思っています。国際連携がより進んだ。北朝鮮が核・ミサイル実験をしました。これは拉致問題とは関係なく、彼らにはアメリカ本土まで届く核ミサイルを持つという至上命題があります。そして3年に1回実験しなければならないのは、まだ技術的課題が残っているからです。
しかしその過程で、彼らが見せた対応を注意深く見ると、安倍政権に対する激しい非難を避けています。朴槿恵大統領に対する口汚いののしり、オバマ大統領についても、「人権騒動はアメリカがやった」とか、「アメリカは我々の体制を滅ぼそうとしている」とすべての責任をアメリカにまわしていますが、日本に対しては「日本当局」というだけで、安倍さんに対し呼び捨ての非難はないんです。
加藤(拉致担当)大臣も非難されていない。あるところで、大臣は「俺は認識されていないのかな」と言っていました。山谷大臣の時は、「有象無象」とか「人間のクズ」とか言われていました。古屋先生も随分言われました。
しかし、向こうは安倍さんは批判しないんです。朝鮮総連に対する取り締まり、厳格な法執行の方針を決めたのは第一次安倍政権です。そして国連に持ち込んだのも安倍さんのリーダーシップです。それなのに安倍批判をしない。
日本と韓国は、同じ日に独自制裁を発表しました。韓国については次の日に、「韓国は開城工団の稼働を中止する」と言った。中止だから再稼働の余地を残したのですが、北朝鮮は「開城から追放する。財産を全部没収する。開城を軍事基地にする」と、すぐ次に日に発表しました。
ところが日本に対してはその次の日で、夜10時になって、「朝鮮中央通信」の報道だけが出た。「朝鮮中央通信」は特別調査委員会が談話を出したと言っているんですが、談話の全文を出していない。未だにどこも報道していない。
日本に対する対話を切る気がないことが分かります。こちらから対話を切る気がないと日本が言わなくても、必要な時は彼らはやりますし、必要じゃない時はやめるんです。それが一番よく分かったのは去年の4月3日です。