制裁と国際連携で全員救出実現を!?国民大集会報告
◆国民を取り戻そうとしない国が未来を築けるのか
増元照明(増元るみ子弟) 皆さん、こんばんは。
先ほど、大臣にお会いした時に、母のことを申し上げました。一昨年末より入院を続けて、3か月経つと転院しなければならないのですが、転院した時、まだぼけてはいませんでしたし、認知症でもなく意思もはっきりしていたのですが、その母がどんな思いで自身の境遇を思っていたのか。
姉のことを一昨年言ったときには、「帰ってくるのかねえ」という話をした時に、私たちは「帰ってくる」と強く言いました。しかし昨年は、それを強く言うことも、母から聞かれることもなくなりました。
ただ、88歳という高齢の母には、「必ず姉に会ってもらいたい」という私たちの気持ちと、永田町にいらっしゃる先生方の気持ちとはすごく乖離があるのではないかと申し上げたんです。
家族の気持ちというのは、こんなに長い間放置されるような問題ではないということを常に申し上げているにも関わらず、危機感がない。危機感を感じない今の政策と対応が、私たち家族を疑わせています。
先日、「産経新聞」に葛城奈海さんが、拉致被害者の救出に自衛隊の活用も考える必要があるのではないか、という文章を載せておられました。これは予備役ブルーリボンの会でも度々議論されることですが、現在の自衛隊法では、それはできません。
ですから改正しようとしているんでしょうが、その改正案でもおそらくできないでしょう。北朝鮮政権の許可がない限り入れないのですから。
先ほどどなたかがおっしゃいましたが、アメリカの拉致被害者のことで、アメリカ人の気質だったら「軍隊を送れ」ということになるのではないか、とおっしゃいました。
それでは日本人の気質というのは何なんでしょうか。国民が主権を侵されて領土から連れ去られたにも関わらず、それを放置していてもかまわないという気質なんでしょうか。それが家族会を結成してから、もう19年続いている状況です。
私たちは姉が拉致されてから19年、私たちは何もできない状況に黙っているしかありませんでした。でもここで黙っていては、また同じ20年が過ぎるということで、家族会を結成して活動しました。5人の被害者が帰ってこられました。未だに数百人と言われる拉致被害者を取り戻すことができません。
本当に国民を守れない、国民を取り戻そうとしない国が未来を築けるのでしょうか(拍手)。本当にそういう未来が開けるのだろうかという危惧も持ち始めています。残念ながら、それが今の現状ではないでしょうか。
早紀江さんや、そしてひとみさんが、拉致被害者に呼びかける強いメッセージを送られました。私は毎年そう思いながら、「我慢してくだい」と。「しおかぜ」でも、「耐えてください。きっと助けますから」という言葉を投げかけていますが、本当に助けられるんでしょうか。私たちの国は。本当に救出できるんでしょうか。救出しようとしているんでしょうか。その思いが、今私の中にあります。
拉致被害者家族が皆申しますように、私たちは最後まであきらめません。姉のために私は戦います。日本政府とも、戦わなければならない時には戦います。その覚悟で私は今います。
国民の皆さんにも、是非お願いしたい。被害者を助けられない国が、未来を描けるのかという思いを私たちとともに、持ってください(拍手)。そして、地元の国会議員に言ってください。「国民を助けられない国は未来を描けないんだ。あなたたちは一体何をしているんだ」。その思いを有権者の一人としてぶつけてください。
最後までご支援、ご理解、ご協力、宜しくお願いいたします。ありがとうございました(拍手)。