今ここまで言える日本人拉致の全体像ー東京連続集会91全報告
◆全員が帰ってくるならば、取引ができる
西岡力(救う会会長) とにかく、「対話を切る」と向こうから言ってこない。そういう時に一番必要なことは、「日本は本気で拉致問題を解決しようとしているんだ。安倍政権は北朝鮮に対して厳しいことを言っているけれども、拉致問題が解決するならばできることはある」ということです。「拉致問題が解決しなければ北朝鮮はその未来を描くことが困難だと安倍総理が繰り返し言っていることは、逆に言えば、拉致問題が解決すれば、一定程度のことは日本はできるという意味だ」と。
世界は核とミサイルで制裁をしています。日本は、核・ミサイル・拉致で制裁をしています。そして日本は世界で一番厳しい制裁をしていますが、核・ミサイルで制裁をしている部分より高い部分は拉致でしているわけですから、その部分については、拉致が解決すれば、お孫さんとの再会ではなくて、めぐみさんたち全員が帰ってくるならば、取引ができる。
そして秘密暴露が心配ならば、そのことについても様々な話し合いができる。金正日が2002年に、「8人死亡」と言ったのは、暴露されたくない秘密を持っているからだと私は思っていますし、様々な情報がありますが、そのことについても、本人たちは被害者ですから、公務員でもありませんから、帰って来て北朝鮮を非難する活動をする義務はないわけです。
家族と本人の意思に従ってどういう活動をするか、しないかを決めればいい。それを日本政府は保護する責任がある。家族は静かに暮らしたいと言っている。ただ、我々が絶対聞かなければならないことが一つだけある。帰って来た人が全員なのか、それ以外にも残った人がいるのかは必ず聞かなければならない。
しかし、それ以外のことについては、静かに暮らしたいという本人の意思があれば、それは尊重できるということを繰り返し言っているわけです。被害者を返すという決断をしたら、条件について話し合いましょうということです。
そういう中で、北朝鮮について、日本はどこまで拉致について知っているのか。甘く見てもらっては困りますよということを今日は言いたいと思って、惠谷さんに来ていただきました。
拉致の全貌を知っているのは金正恩です。やった側ですから全部知っているわけです。こちらが色んなことを言っているのを彼らは見ています。「何も分かっていないんだな」と思われているのか、「かなり知っている」と思われているのか。