北朝鮮最新情勢と救出戦略ー東京連続集会92全報告
◆自分と金が大切な社会に
金聖●(自由北朝鮮放送代表、●=王へんに文)
もう一つ、システムが揺れている事例を挙げると、市場のことです。実は2002年の7月までは、北朝鮮の市場は一月に1回だけ開かれる農民市場でした。そこでは生活必需品は売ることができなかった。米も売ることができなかった。ただ、自留地で採れる野菜などを農民が持ってきて売ることが許されていただけで統制されていた。
ところが2002年7月1日の新経済措置の後、逆に政府が市場を作って、税金のない北朝鮮と宣伝していたのに、市場の業者から場所税を取るようになった。つまりシステムが揺れて、それに合わせて対策が後を追っているということです。
小さい時から体制に対する忠誠心を教育されている北朝鮮の住民たちですが、日本では「アジアプレス」という民間の言論媒体があると聞いていますが、そのようなところが公開処刑の映像、あるいは闇市の映像を公開しています。その映像は誰が撮ったか。北朝鮮の住民や中間幹部がお金のために映像を撮っているんです。つまり忠誠心が揺れてきているということです。
北朝鮮では、過去は個人よりも集団を大切にする社会だと言っていましたが、今はそうではない。自分がまず大切だ。金が大切だ。そういう社会に変わってしまった。