北朝鮮最新情勢と救出戦略ー東京連続集会92全報告
◆崩壊に向けて追い込み、崩壊前に救出する
西岡力(救う会会長)
そういうものを遮断することを目的に制裁をしている。彼らが秘密資金としてもっていた外貨の秘密口座が使えなくなるようにアメリカがしている。もちろん対策を立てていますから、色々な外国人の名前で隠し口座がたくさんあるようですが、それも追いかけているという状況になってきた。
今年4月に、北朝鮮自由週間がソウルであって、そこでも話をしました。この北朝鮮自由週間は数年前から、拉致を含む人権問題で国際社会が制裁をかけるように運動をしようと始まりました。核・ミサイルでは制裁をかけているが、人権問題で制裁をかけているのは日本だけだと言ったんですが、ついにアメリカが人権問題で制裁をかけました。拉致を含む人権問題で、アメリカが金正恩氏を名指しで制裁した。
その背景はCOI(北朝鮮における人権に関する国連調査委員会)の報告書です。国連機関が人権問題で金正恩を刑事告発しろという報告書を出した。我々も何回かアメリカに行き、ジュネーブにも飯塚さんたちに何回も行っていただきました。そして日本政府がかなり積極的に国連外交をした結果だと思います。
韓国も、少し前までは開城公団で外貨稼ぎをさせていたんです。今それを止めて、逆に体制の根幹に関わる情報を入れることに注力している。7月初めに、ウランバートルで開かれたアジア・ヨーロッパ首脳会議で、朴槿惠大統領が演説して、「韓国による自由統一が北朝鮮問題解決の方法だ」とはっきり言いました。
今北朝鮮では、朴槿惠攻撃を激しくやっています。「メスの毒蛇」とか、「子どももいない老婆」とか、そういう表現を使って朴槿惠大統領のことを批判しています。また、青瓦台(韓国大統領官邸)が焼ける映像を作って、ミサイル攻撃をするとこれだけ焼けるんだという映像を流しています。
そして実は、「脱北者を殺せ」という命令が出ていて、韓国の有力な月刊誌によると、金聖●さんを含む8人の脱北者を殺すか拉致しろという命令が出ているそうです。彼の警備も厳しくなっています。今日日本に来てくれたのも、結構緊張する中でしたが、今言ったような北朝鮮の変化を伝えたいということで、一定の緊張の中で来てくれました。
金聖●さんは、「政権が崩壊しなければ解決しないだろう」と言いましたが、もちろん政権が崩壊した後に大混乱が起きた時に、殺されてしまうこともあり得るので、我々の目標は、政権が崩壊する直前に、彼が本当に苦しくなった時に取引が成立するとすれば、そのタイミングしかないということです。
そのタイミングが来るかもしれない方向に今世界が動いている。北朝鮮の内部も動いている。そして、お金こそすべてということになっていますから、具体的な情報がどんどん漏れてくる。もちろん、嘘の情報もいっぱいありますが、最高幹部たちに忠誠心がないですから、お金を持っていなければならない。