北朝鮮最新情勢と救出戦略ー東京連続集会92全報告
◆最優先でやるということをもっとはっきりと言ってほしい
飯塚繁雄(家族会代表、田口八重子さん兄)
いつもながら関心を持っていただきありがとうございます。
この問題については、我々家族は当然ですが、相当長い間苦しんで、その経過を監視しながらなかなか結果がでない状況です。当然ながら北にいる被害者たちが一番苦しい思いで、帰れるのはいつか、いつかと待っていると思いますが、なかなか我々が期待している結果が出ないという状況を踏まえて、あらゆる活動をしてきました。
そして政府、全国の救う会関係やNGOの皆さんも頑張ってくれています。もちろんここにいる皆さんも国民の一人として、色々な形で協力、支援をしていただいています。
今年ももう半年過ぎましたよね。本当にいつまでかかるのかというのが我々の心境です。取り巻く状況を見ると、拉致問題以外に色々な話題や課題や活動、取組みが山積していて、選挙の時などは拉致問題は全く忘れられて、隅に追いやられている雰囲気がありました。
一部の政党は拉致を研究していましたが、安倍総理の課題がものすごくたくさんあるということは事実です。しかし、だからといって拉致問題を忘れては困るのです。
拉致問題は日本の最重要課題であり最優先課題であるということを我々は言っています。この文言を政府の方々があまり言ってないんですね。安倍総理は、「自分の政権で解決します」と言っていますが、何をさておいてもこの問題を最優先でやるんだという、はっきりとした言及がないのがちょっとさびしいですね。また問題だと思います。
当然ながら日本政府も、この問題では北朝鮮に対して相当きつい姿勢を示して、被害者を帰国させるのが狙いですが、これは中途半端な対応ではできないと思います。日本の政府として、この拉致被害者の帰国は一歩も譲れない、これが政府の最優先課題であると、そういうことをもっと言ってもらいたいんです。
これは北朝鮮に対しての強いメッセージにもなります。我々も、このような心強い態度があれば、「近い将来」という期待も持てるわけです。今のように、のらりくらりという感じは、拉致問題というのは30年も40年もかかっているのだから1年、2年、3年、5年延びたってどうということはないという雰囲気にどうしてもなりがちなのではということを恐れています。
「今年こそ」という言葉がありましたが、本当に近いうちに、さっきの金聖●さんの話にもありましたが、それとともに同時に展開できる対応があるはずなんです(●=王へんに文)。ですから私たちはそれを政府に求めていくしかない。もっと強い態度を示してほしい。それに伴う措置をしてほしい。そういうことを言うしかないんです。
結果的には、いつも言うように、被害者の帰国、これだけなんです。それをはっきりともう一度言いますが、そういうことでは、ついでにやるとか、そろそろやるかというようなことは絶対に許せないのです。
今年もまだ半年あるとも言えますが、最優先でやるということをもっとはっきりと言っていただきたいと思います。
家族会の活動も、全国くまなくやっていますが、対応できない部分もあるとはいえ、(行事が)少なくなってきています。集会や署名活動を含めてです。やっていただいている所は、毎年盛り上げていただいていますが、全体的に見ると、どうも拉致問題を解決させようとする国民世論がちょっと下がっているのではないかという心配もあります。
私たちはいつも、世論が相当なカードになりますよという話をしています。ですから皆さんも風化しないように盛り上げていただくようお願いいたします、と言って各地を回っています。
これは主催する側も大変な努力がいるんですが、家族会だけではなかなかそういう企画ができませんので、私たちはできる限りそれに乗って、頑張っていきたいと思います。
国外については、国連のイベントもこの間ありましたし、政府がどう対応するかは何も聞いていませんが、これも考えていかなければならないと思います。今後とも皆様のご協力、ご支援を、宜しくお願いいたします。ありがとうございました(拍手)。