国際セミナー「激動する南北情勢の中で拉致問題を考える」全報告
◆被害者は拉致の報道を見ている
西岡力(救う会会長)
今日総合司会を担当させていただきます。悔しくてみじめな気持でいっぱいです。皆さんも同じことを考えていらっしゃると思います。また家族の方が型の高齢化も進みました。今日、大臣からの説明会があったのですが、血をはくような「なぜ動かないんだ」という訴えがありました。
しかし、私が一番に思うのは向こうにいる人たちです。向こうにいる人たちがこの冬をどうすごすのかと思うと言葉を失う思いですが、しかし、蓮池さんや地村さんたち、また曽我さんもこう言っていました。「日本の報道を見ている」と。
1998年に、福井県小浜市で集会がありました。「ありもしない拉致問題で集会をしたのはけしからん」という「労働新聞」の記事です。地村さんはそれを読んで、「福井県小浜市で拉致といえば俺たちのことなのかなあ」、「親や近所の人たちが忘れていなかったのかなあ」、「しかしこれで北朝鮮当局が何か言って来るかなあ」と、励ましがあったり不安があったと言っています。
私はその時、家族の皆さんに「『労働新聞』を絶対北で見ている。(皆さんの)家族に伝わっている。運動すればコミュニケーションがとれる」と言ったのですが、我々が疲れて声をあげるのを止めたら、それもすぐに北朝鮮に伝わります。被害者に伝わるのですから、絶対に声をあげ続けなければいけない。
今日は毎年のことですが、専門家を呼んで、「激動する国際情勢の中で拉致問題をどう解決するか」ということを、みんなで知恵を絞りたいと思います。冷静に知恵を絞らなくてはいけませんが、しかしみんなで知恵を絞る中で、待っている日本人がいること、その中には家族がいない人もいつこと、そして日本人を助けるのは日本人だ、日本政府だという熱い思いを持って、しかし冷静に国際情勢を分析するセミナーにしたいと思っています。
それではまず主催者を代表して家族会の飯塚代表からご挨拶をいただきます
(拍手)。