国際セミナー「激動する南北情勢の中で拉致問題を考える」全報告
◆今日、韓国大統領の弾劾決議
西岡力(救う会会長)
山谷本部長はこれから官邸で菅官房長官にお会いになります。このセミナーや拉致問題についてしっかり話をしてきますとのことでした。先生方ありがとうございました(拍手)。
それではセミナーに入りたいと思います。実は今、韓国の国会でまもなく朴槿惠大統領弾劾決議がなされると今朝の報道にありました。今年になって北朝鮮が核・ミサイル実験を2回やり、ミサイルをたくさん発射する中で、韓国政府は北朝鮮に対して大変厳しい姿勢をとるようになった。
拉致問題については、それは北朝鮮に対する圧力が強まるということで大変プラスだと思っていたのですが、この1、2か月、突然韓国の中で大統領のスキャンダルが表に出て、そしてデモをしている人たちが北朝鮮につながる人たちだという状況で、国際包囲網に穴が開くかもしれない。
一方、北朝鮮は着々と核開発を進めている。今の多数意見は、核弾頭を持ってしまったとされています。今までは核爆弾しかもっていなくて、核弾頭は持っていないとされていたのですが、核弾頭を持ってしまった。日本に届くミサイルは持っていましたので、日本は北朝鮮の核の射程域に入ってしまった。
国際制裁をしていますが、また日本の制裁は拉致も理由の一つですが、核の制裁もしてきた。しかし北朝鮮の核開発は止められなかった、というのが今の厳しい状況です。
そしてアメリカでは政権交代があり、トランプ氏が大統領に当選し、共和党政権になりました。その大統領の外交政策については、色々な話がたくさん出ていて、まだどうなるか分からない点もありますが、民主党政権とは大きく変わるのではないかと予想されています。
国際情勢が大きく動いています。その中で私たちは拉致の旗を絶対降ろすわけにはいかない。大きな嵐が吹いていても、拉致被害者を返せという声を絶対に落とすわけにはいかない。
今国際情勢は、そして北朝鮮情勢は、韓国がどうなっていくのかということを冷静に分析した上で、我々が何をするかを考えたいと思い、今日のセミナーを企画しました。
そこで韓国からお客さんを呼びました。若い韓国のジャーナリスト金泌材(キム・ピルジェ)さんです。日本にも2年留学したことがあります。もともとは北朝鮮の核問題を専門とする人で、この問題の深刻さがあります。その上で拉致問題をどう解決するかについて話をしてもらおうと思っていたら、朴槿惠大統領の問題が出てきました。
今日がまさにその日になってしまいました。そこで南北間の全体構造及び日韓関係についてお話をしていただくことになりました。まず基調講演をしていただいて、その後アメリカ政治の専門家である古森義久さんにも上がってもらって、島田教授の司会で国際政治の動き、アメリカの動きを踏まえた上で拉致をどう解決するかを議論していきたいと思います。
それではまず金泌材さんお願いします(拍手)。