国際セミナー「激動する南北情勢の中で拉致問題を考える」全報告
◆トランプ氏の公約「アメリカをもう一度偉大にする」
古森義久(麗澤大学特別教授)
北朝鮮の核弾頭がワシントンに飛んでくることについてははっきりとした危機感はありませんが、そういう目的に向かって着々と北朝鮮が作業を進めている。しかも金正恩は、成功したと言っている。2、3の軍部の高官が言っていますが、「既にアメリカに届く、核装備されたICBMの弾頭を北朝鮮は開発して保有している」という見方もあるわけです。これはやはり大きい。
それからトランプさん自身がお金にこだわるということは、確かにビジネスマンだから当然でしょうが、彼が持っているもう一つの側面というのは、彼の選挙スローガンにあった、「アメリカをもう一度偉大にする」です。アメリカの威信を正面から踏みつける、傷つけることに対しては、本当に子どもっぽいような強い勢いで反発をする。そういう側面も強い。
中国が悪いことをしようとしている、北朝鮮はその極みだということに対して、アメリカの偉大さとか、アメリカが国際秩序を仕切っていくというというような意識がありますからね。やはり反発が強い。
それからミサイル防衛というのは、彼の公約の中に入っていますよ。色々な所で、少しずつ公約らしきものを語ってきている。外交や安全保障について語ったことは少ないんですが、ミサイル防衛の強化、特に日米韓が一緒になって、北朝鮮、そして中国のミサイルの脅威に備えるんだと言っています。
また先ほど申し上げたアドバイザーや顧問たちがはっきりそういうことを言っています。
島田a 日本政府がまた追加制裁を発表して、北朝鮮に立ち寄った船は国籍に関わらず入れないこと、また再入国禁止リスト、これは在日で北朝鮮に行った人でリストに掲載されていると再び日本に入れないというものですが、これを拡大しました。これには、あまりにも少なすぎる、もっと拡大したリストを作るべきだったという批判も一方、ミサイル開発がらみの人間を入れたのである程度意味があったと評価する人もいます。西岡さんどうですか。