国際セミナー「激動する南北情勢の中で拉致問題を考える」全報告
◆帰ってきても誰も迎えてあげられなくなるのが不安
斉藤文代(松木薫さん姉)
熊本は災害にあってから皆様方に色々とお力をいただき、頑張っています。私たち拉致被害者家族も、今日は何かいいことがないかなと思って東京に出てきます。今日は午前中色々なお話をさせていただきましたが、文面には、ああそうですかというようなことしか書いてありません。これをじっと読んでいると本当にむなしくなってくるんです。いつまで待てばいいのかしら、と。
私は母も父ももういません。薫が熊本に帰ってきた時、誰が迎え入れてくれるのか。私がしっかりしていないと、帰ってきた時、誰が迎え入れてくれる人がいなくなる。本当にそのことで不安になってきます。
命が一番大事なんです。帰ってみれば、命がなくなっている人もいる。一生懸命頑張って北から帰ってきても、もし私が待っていなかったらと思うと、自分の病気にも負けてはいられないという気持ちで、東京に上がってくるんです。
本当に時間が過ぎていますので、どんな方法で日本は私たちの家族を助け出してくれるんだろうと思いますと、私はどうも思っていませんけど、じんましんなどたくさん出てくるんです。
そういう考える時間をなくしていただいて、1分でも何秒でも早く家族が帰ってくること。まずそれを一番に考えていただきたいと思います。何十年も待っていたら、私たちもいなくなります。家族と私たちは会いたいんです。1か月でも1年でも一緒に生活ができたらいいんです。
それでもよしと思わなければいけないと期待を持っておりますので、これからも長く帰国を待たなければいけないのかなとも思いますが、なるべく短い時間で解決ができるように、私も頑張りますので、どうか皆様方のお力添えを宜しくお願いいたします。どうもありがとうございました(拍手)。