国際セミナー「激動する南北情勢の中で拉致問題を考える」全報告
◆当事者に面と向かって「返せ」という取組みをしないとだめなのか
内田美津夫(寺越昭二さん三男)
みなさんこんばんは。今日の中山先生のお話の中で、「被害者を救出するのを目的として政府が活動しなければ絶対に帰ってこない」が心に残りました。
私は日頃思っているんですが、拉致問題を例え話にしたら本当に怒られるかもしれませんが、自分の大事なものを人に取られた。しばらくしたら取った相手はやんちゃな男だった。北朝鮮ですね。本人に直接「返せ」と言うことができない。なのでやんちゃな男の親、中国に「返してくれ」と言っても返してくれない。やんちゃな男の兄弟、韓国の人に言っても返してくれない。なら町内会に頼もうか。アメリカ。この人と一緒になって「返してくれ」と。
今はそういう状況だと思います。本当に返してほしかったらやんちゃな男に殴られても結構だと、「お願いします」と直接本人と交渉しないとだめ。中山先生のお話を聞いていて、そういうことだなと思いました。
また反面、ワイドショーなんかでごみ屋敷の問題がありました。やはりあんなたくさんの抗議になる前に、親や、兄弟や、親戚にもはずかしいからやめなきゃと言っていると思います。
町内会長も「やめてくれ」と何回も言っていると思います。無関心な人はそのまま通り過ぎるかもしれない。だからあんなたくさんのごみになるんです。偉い人、役所の人が「いつまでになんとかしろ。しなければ強制的にやるぞ」。それできれいに解決しています。
当事者に面と向かって「返せ」という、そういう取組みをしないとだめなのかなと私は思いました(拍手)。
私事で恐縮ですが、去年の5月に間質性肺炎という難病になり、現在薬も飲まず、治療はしていません。それでも月何万円かかかります。ある程度悪くなったら難病ですから薬代がただになる。なので悪くなるのを待っています(笑)。そして今年5月に息子が職場で倒れました。脳腫瘍。レントゲンを見たら、「何だこれは」という状態で、12時間の手術で命を取りとめました。
今年1年、悪いんですが何もできなくなりました。毎日、生きた心地がしないとか、色々なことを思っています。久しぶりに今日出てきたんですが、横田さんのお父さん、有本さんのお母さんの顔が見れません。私もネットで調べたら、平均余命が60か月とかで、毎日考えています。
時間が長いということが身に沁みて分かります。家族会、救う会、拉致議連で、被害者を救出するために政府の尻を叩くようなことを来年どうして増やしてほしいと願っています。ありがとうございました(拍手)。