救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

家族会・救う会の新運動方針ー東京連続集会94全報告



◆核・ミサイル等最重要課題の中でも拉致が最優先、人道問題でも拉致が最優先

西岡力(救う会会長)
 もう一つ「最優先」には意味があります。ごく一部の人ですが、ある政治家や運動家の中で、「ストックホルム合意に戻れ」という声があります。ストックホルム合意では、拉致問題とその他の人道問題を同格に扱っています。ところが家族会・救う会は「拉致最優先」と言っている。安倍総理も家族会に会った時には「拉致最優先」と言っている。これは差別ではないか、と言う人たちがいます。
 ある国会議員は、今日本が制裁をかけて、公務員が北朝鮮に渡航することを止めているにも関わらず、2年前の10月に平壌に行った人です。制裁破りをして北朝鮮に行き、横田さんたちがモンゴルでお孫さんに会った時の写真を北朝鮮からもらってきた人です。そういう人がそういうことを言っています。
 ストックホルム合意が結ばれた時、同床異夢だったのです。日本は拉致を解決するために、北朝鮮が拉致を含む再調査をするというのならやらせてみよう、と。再調査というのは北朝鮮が、生きている人を返すための手続きとしてなら意味がある、と。なぜなら金正日が一度、「死んでいる」と言ったことについて、金正日が間違っていたとは言えないから、「当時の調査は実務者が間違っていた。金正日は正しかった」というためだけだったら、再調査には意味がある。
 これは安倍さんが前から言っていたことです。拉致解決に役立つならそれもやっていということですが、向こうはまず人道問題で日本の世論をゆるめること、お孫さんと会わせたのもそういうことです。当初は平壌まで呼んで、横田さんたちにめぐみさんの死亡を納得させようとしていたんですが、それはあきらめてただお孫さんに会わせるという人道的なふりをしました。
 めぐみさんの元夫が、つまりウンギョンさんの父が付いてこなかったことが一番ポイントです。父が付いてくれば、「死亡」について「あの骨は本物だ」と説明することになるんですが、それはしなかった。ただ人道的にお孫さんと第三国で会わせた。我々は北朝鮮の人道的なふりにだまされるなとの声明を出した記憶があります。
 そういうことをした後、「日本人妻や残留日本人を探してみたら出てきた」と言う。国民にはすべて番号があって登録されていますので探す必要はないんです。私は平壌市の200万人のリストを持っていますが、民族という欄があり、ソートをかけると日本人が出てきます。そんな調査は必要ないんですが、「善意をもって調査したらこういう人が出てきました」と言う。
 実際、ストックホルム合意の前後、国家保衛部が全国の日本人妻のところに行って、日本に帰りたいかどうかの調査をしています。みんな「帰りたくない」と言います。「この世の天国である北朝鮮がいい」と。しかし、二度三度来て、「本当に帰ってもいいんだぞ」と言うので、ある人が日本の親戚のところに電話してきた。「帰ったら面倒を見てくれるか」と。
 私はその電話をつなぐのをしましたので知っています。本気で日本人妻などを返そうとした。一時帰国ではなく、帰国まで考えて、見返りなしで人道的なふりをした。そして最終的に、「めぐみさんたちは死んだ」という調査報告書を出す準備をしていました。
 ストックホルム合意は、北朝鮮が再調査をして、めぐみさんたちが生きているということに使えるのであれば意味がある。それだけしか意味がないんです。拉致問題と他の人道問題を同じに扱うことを日本政府が認めたものではないんです。
 この運動方針にも書きましたが、北朝鮮人権法という法律があります。その中に「国の責務」というのがあって、「国は、北朝鮮当局による国家的犯罪行為である日本国民の拉致の問題を解決するため、最大限の努力をするものとする」と書いてあります。法律に「国家的犯罪」と書いてあるんです。「北朝鮮」とも書いています。「最大限の努力をする」と書いています。他の人権問題については、「啓蒙することとする」としか書いてないんです。
 日本は法治国家で、政府はこの法律に基づいて国の責務を果たしているわけで、この「国の責務」に役立つと思ったのであれば、局長クラスが、お互いにサインもしていない、日本語と朝鮮語でそれぞれが発表した合意なるものも役立てていいということですが、「そうではない、差別だ、先に日本人妻問題をやれ」という人たちがいます。
 そういう人たちが日本にいる間は、統一戦線部は金正恩に、「まだ大丈夫です。被害者を返さなくても日本の制裁を緩めることはできます。朝鮮総連を守ることができます。日本から金や物をとることができます」という報告を上げられるんです。
 拉致は「国家犯罪」なんです。法律にも書いてある。他の人道問題とは次元が違うんです。主権侵害であり、国家犯罪ですから、最優先で取り組むのは当たり前です。
 「最優先」には二つの意味があります。核・ミサイル問題との間でも、拉致・核・ミサイルは全部最重要課題だが、先に拉致をやる。人質の安全がかかっているからです。また他の人道問題との間でも国家犯罪である拉致被害者を先に取り戻す。

  
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