救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

家族会・救う会の新運動方針ー東京連続集会94全報告



◆全被害者の帰国を決断するなら見返りも

西岡力(救う会会長)
 2番目のスローガンは、「全被害者を取り戻すための実質的協議」です。この「実質的協議」は昨年から繰り返し使ってきているものですが、その意味は、「全被害者を返すという決断を彼らがするなら、こちらは見返りを出すことができる」ということです。
 その見返りというのは、身代金を払うということではありません。日本は拉致を理由に制裁をかけています。拉致問題が解決すれば、理由がなくなるわけですから、拉致を理由にした制裁は降ろすことができるんです。
 しかし、その条件は絶対に、全被害者の帰国でなければならない。何人かではだめです。3年前ストックホルム合意ができた時、テレビに出た解説者の人たちが、「小泉総理は5人を取り戻した。5人以上でないと安倍さんは政治的に苦しい」と言っていました。机をひっくり返してやろうかと思いましたが、全員でなければだめに決まっているじゃないですか。また取り残す人を作ろうと言うんですから。
 蓮池(薫)さんが言っています。「北朝鮮に捕われの身の被害者は、精神の安定を保つことが大変困難なんだ」と。「前回帰れなかった人たちは、今回北朝鮮がもう1回調査をすると言ったことを知っている。今回も帰れなかったら、めぐみさんや八重子さんたちの精神の安定が心配だ」と。全員ということは絶対今回譲れない。
 彼らがほしいもの、制裁を緩めるとか、人道支援を再開するとかを使うためには、全員帰ってくることが前提でなければならない。但し、日本政府は拉致問題解決の定義を3つあげています。まず、認定の有無にかかわらず全被害者の安全確保と帰国、2番目が拉致に関わる真相究明、3番目が実行犯の引き渡しです。
 私は、2と3は後でもいいと思います。1が最優先です。1が実現するならその条件について話し合いをしていいと思います。アメリカの圧力をかわすために日本を自分たちの側に引き寄せたいのなら、拉致被害者を全員返すという決断をしなさい。それをすれば、拉致が理由でかけている制裁を降ろすことができる。
 その制裁の1つは人道支援を止める、です。これは拉致が理由ですから、人道支援を再開することができるようになります。そのことをアメリカや他の北朝鮮に圧力をかけている国に、「核・ミサイル問題が動かないのに日本は抜け駆けするのか」と言われないように、きちんと説明をしなければならない。
 日本の制裁には2種類ある。国際制裁は守る。最近分かったことですが、中国などは石炭の輸入を止めるといいましたが、すでに12月に国連が決めた2倍の量を輸出していました。でも黙っていた。金正男が殺されたから、「これは我慢の限界を越えた」と言って、2倍の輸出をしていたのに止めた。
 日本はそんなことをしない。ちゃんと国連制裁を守りながら、それよりも強い部分で拉致の交渉をする。そういう実質的協議をしてほしいと思います。それができるところまで来ました。運動方針には、「わが国政府は在日朝鮮人の再入国不許可の拡大を除き厳しい制裁を実施し」と書いています。まだできることとして、在日朝鮮人の北朝鮮を渡航先とする再入国不許可を私たちは要求していますが、それは実現していません。
 朝鮮総連で200人くらいいると言われている中央委員まで、再入国不許可を拡大することは、自民党が作った案にも入っています。今安倍政権がやっている制裁で、自民党の案よりもゆるいのはこの部分だけです。だからこう書いたのです。しかし、それ以外の貿易等は全部止めています。船も全部止めています。そういうことは世界よりも厳しい制裁をしている。
 そして制裁は2回使える。かける時1回と、降ろす時1回です。あるいは降ろしても、向こうが変なことをしたらもう1回かけることもできる。米支援なら取られて終わりです。返してくれとは言えない。そういう道筋を我々は示した。それが新たな段階に入った拉致救出運動だと。
 アメリカがトランプ政権になって強い軍事的圧力をかけている。北朝鮮はこれに対して挑発を繰り返している。この圧力を活用して、実質的協議をして、日本がかけた制裁の中で、拉致を理由にかけた部分を見返り条件として話をしてほしい。これしかないと思っています。
 でもこれができるところまで来ました。拉致を理由にした制裁があり、アメリカの圧力もかかった。中国さえも形式的ではなく、石炭輸入を止めるという金正恩政権のアキレス腱を突き始めました。

  
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