救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

拉致被害者救出運動20年特別集会全記録



◆対話を通じ、あらゆる政策を駆使して臨む

加藤勝信(拉致問題担当大臣)
 皆様方には日頃から拉致問題に対する高い関心と、様々な形でお取組みいただいていますことに改めて御礼を申し上げたいと思います。
 今年は久米裕さん、松本京子さん、横田めぐみさんが拉致されてから40年、そして家族会結成されてから20年という非常に長い年月が経ったところです。冒頭西岡会長からもお話がありましたように、様々な歴史、様々な思いがあるところです。
 そういう中で、皆様方のご努力の中で、2002年には5人の被害者の方々が帰国を果たすことができたわけですが、それ以外は、そして私も拉致担当大臣になってもう1年半経つわけですが、一人も拉致被害者の帰国が実現できないのみならず、帰国に向けての具体的な道筋をまだ見いだし得ていないということは、本当に痛恨の極みであり、ご家族の皆様や関係者の皆様には心からお詫びを申し上げなければならないと思っています。
 先月19日に家族会・救う会が決定した新しい運動方針、また昨日公表された声明においては、「今年中にすべての拉致被害者を救出する」という文言が盛り込まれているわけです。
 ご家族の皆様方に一日も早い帰国の実現を本当にはかってほしいという強い思いが盛り込まれていることを、我々はしっかりと受け止めさせていただきたいと思います。
 この運動方針を受けて、先月22日には、飯塚家族会代表を初めとする被害者のご家族の皆さんと安倍総理との面会をしていただいたところです。その中において安倍総理は、みなさんの思いをお伺いし拉致被害者の救出ができていないことに対し、当初から拉致問題に取り組んできた者の一人として、痛恨の思いを述べておられます。
 そして「皆さんの要望に沿う形で何とか努力していきたい」と強い思いをのべられたところです。安倍内閣として、そして担当大臣として、ご家族の皆さんの思いをしっかり共有しながら全力で引き続き取り組ませていただきたいと思っています。
 今日皆さんにとやかく申し上げることではありませんが、昨年核開発を、昨日は弾道ミサイルを発射し、度重なる発射となり、国際社会に対する、まさに挑発を繰り返しているところです。こうした対応は断じて容認することはできないということで、我が国も安保理決議に基づく制裁に加えて、関係国と協調して独自の制裁を着実に実施するなど、断固たる姿勢で臨んでいるところです。
 また国際社会においても、こうした北朝鮮による安全保障上の懸念が高まる中で、北朝鮮の人権状況の改善を求める意見が非常な高まりを見せています。例えば昨年12月の国連総会では、拉致問題を含む北朝鮮の人権状況の改善を求める決議が採択されました。これは10年連続でもあります。
 またジュネーブで現在開催中の国連人権理事会では主要な報告書が「人道に対する犯罪」に当たるとした北朝鮮の人権侵害に関する責任追及のメカニズムの検討に向けて具体的な施策を盛り込んだ決議案が今まさに採決を迎えるところです。
 また、昨年末の安保理決議では、北朝鮮に関する安保理決議として初めて主文において、拉致被害者を含む北朝鮮にいる人々が受けている苦難に対する深い懸念が表明されました。
 また、先月安倍総理が訪米をしている最中にミサイルが発射されました。トランプ大統領と共に安倍総理は直ちに記者会見を行い、日米の強い結束を全世界に示したわけですが、この首脳会談では北朝鮮の核弾道ミサイル発射に対する大変厳しい国際環境の中において、拉致問題の早期解決の重要性について完全に一致し、その後日米共同声明という文書の形で初めて確認したわけです。
 この拉致問題の解決に向けて、我々も「対話と圧力」、「行動対行動」の原則のもと、北朝鮮の最高指導者に対し、拉致被害者の帰国という決断をどのように迫り、そしてその道筋を引き出していくかということが大変大事なことであります。
 特にこの日本人の拉致の問題は核・ミサイルと異なり、日本政府自身が取り組んでいかなければ解決はないわけです。これまでも、「拉致問題は安倍内閣の最重要課題である」、「最優先で」ということを常に申し上げていますが、ご家族の皆様方の、「本当に一刻の猶予ももうないんだ」、「ぎりぎりのところに来ているんだ」という思いをしっかりと共有しながら、また北朝鮮の暴挙に対する国際社会の圧力もてこにして、対話を通じながらすべての拉致被害者の一日も早い帰国につながる具体的な行動をとらせるべく、我々としてとしてもあらゆる政策を駆使して臨んでいきたいと考えています。
 拉致問題解決に向けて、今後とも家族会・救う会・拉致議連の皆様とも緊密な連携をとると共に、やはり国民の皆様一人ひとりのこの問題に対する怒り、解決していくとの思い、こうした皆様方の後押しもしっかりいただきながら進めさせていただくことをお誓いし、私からの挨拶とさせていただきます(拍手)。


  
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