救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

今年中にすべての被害者の救出を!国民大集会 全報告



◆拉致被害者の命を危険にさらす方向でしか拉致問題は解決できないのか

増元照明(増元るみ子さん弟)
 皆さん、こんにちは。今日は本当に大勢の方にお集まりいただき、ありがとうございます。長時間にわたり椅子に座っていらっしゃるので、辛いと思いますが、もう少し我慢してください。
 今西岡さんからお話がありましたが、浜本富貴恵さんではなく、奥土祐木子さんが最初に姉と暮らしたということで、今のお話をしてくださったということです。
 15年前に私の父が死ぬ間際に、「日本を信じろ」と言って死んでいきました。南方に戦に出かけて、その戦のことは一言も子どもたちに言うことなく。それでも日本という国が好きで、恐らく、最後の最後まで日本を信じて死んでいったのでしょうが、今あれから15年経って、日本はどうなんでしょうか。
 私たちは本当に自分たちの力のなさを感じます。昨年末、日本政府に対して、全世界の在外日本大使館から在外北朝鮮大使館に、月に1回でもいいからアプローチしてくださいと申し上げましたが、今やっているのかどうか全く分かりません。今北朝鮮を揺さぶるのは、在外公館から揺さぶるのも一つの手ではないかと思ったからです。
 つい先日マレーシアで金正男暗殺がありました。北朝鮮政府がマレーシア人9人の出国を禁止しました。それに対して即座にマレーシアは、在マレーシアの北朝鮮国籍を持つ1千人にのぼる人たちの出国を禁止しました。後から数百人くらいは帰したんですが。なぜマレーシアにできることが日本にできないんでしょうか。
 今まさに拉致被害者は100人以上人質に取られて、出国もできない、声も挙げられない状況なのに、なぜ日本の在日北朝鮮の人たちは声を挙げて北朝鮮を訪問できるんですか(拍手)。
 ぼくは出国禁止をしろとは言っていません。それは新たな法律がいるでしょう。それでも私たちの国は独自で、わたしたちの国にふさわしくない人が再入国することを拒否することはできるんですよ(拍手)。
 これをすれば、少しでも北朝鮮に出る人はいなくなるでしょうし、北朝鮮にお金を持っていく人もいなくなるでしょう。人道的な問題があると言う方たちもいらっしゃるでしょうが、私たちの家族は40年間日本人としての人権を奪われているんですよ。そのことを本当に真剣に考えていないんですか。それが北朝鮮に対峙するということではないんですか。
 それにも関わらず、結局アクション・プロジェクトは、在日の技術者のサイン入国を禁止するだけに留まりました。なぜ北朝鮮の宋日昊が拉致問題に関心がないかというと、拉致問題に関して日本が何もしないからです。
 北朝鮮にとって拉致被害者を返さなくても、日本は制裁をかけてこなかったじゃないですか。ミサイルを撃ったら即座に追加制裁をしました。核をしたら追加制裁をしました。拉致の問題で、めぐみちゃんの骨と称するものを突き付けられて追加制裁しましたか。してないじゃないですか。拉致の問題で追加制裁をしていないんですよ。
 西岡さんは確かに、拉致の問題も理由に付け加えてもらっていると言いますが、拉致の大きな問題で、一昨年の合意破棄のことに関しても、それに対して日本は追加制裁しましたか。しないじゃないですか。核実験して初めて追加制裁したんでしょう。
 これでは拉致の問題でどんなことをやっても日本は怒らないから関心がなくなるのは当たり前でしょう。関心を持たなくたって大丈夫だからです。ミサイルを発射したら国際社会がうるさくなる。彼らに本当に拉致問題に関心を持たせるためには、拉致の問題で北朝鮮が困ることをやらなければならない。朝鮮総連の解体です(拍手)。破防法をかければいいじゃないですか。
 合意の時にも言っていました。北朝鮮が何を望んでいるか。在日朝鮮人総連合会の地位の安泰です。そしてあの本部を保全することです。それを日本政府がおそらく呼応して今の状況になっているんでしょうけども。なぜこんな状況を続けるんですか。
 2006年にアメリカに行って、財務省であの金融制裁をやった方にお会いしました。その方に私たちは、テロ支援国指定解除を止めてくださいと言ったんですが、その時その方が何と言ったかというと、「日本では明伸という企業ですが、企業としての行動を全く止めていないじゃないですか。日本は何をやっているんですか」。そう言われました。
 今日本はいったい何をやっているんでしょう。拉致被害者を救出するために。今回アメリカがああいう状況になって、結局は拉致被害者の命を危険にさらす方向でしか、拉致問題の解決ができないこの日本の外交力を私は嘆きます。日本の国力とはそんなもんなんですか。
 私は本当に姉の写真に向かって謝るしか今はありません。国会議員の皆さんも是非、姉の写真に向かって今の現状を謝ってください。そして謝ることによって肝に銘じてください。私たちは日本政府として日本人を助けてくださいと言いました。
 今ご挨拶の中で、そのことを強くおっしゃったのは知事の二人です。日本人が助けなければならないんだと明確におっしゃいました。でも国会議員の方たちは、日本政府がというふうにはおっしゃっていません。主体的にとおっしゃった総理もいらっしゃいましたが、本当に日本政府が日本人を助けなければ日本人は助からないんです。
 アメリカが攻撃したって、アメリカは日本人を助けるということに力を集中しません。本当に危険にさらされます。でもそれでしか解決ができないんだったら、私たちは覚悟しなければならない。拉致被害者家族も覚悟しなければならない、そんな状況に追い込まれています。
 そして拉致被害者も覚悟しなければならない。そんな状況に追い込まれていることに対して、私は姉に対して、本当に申し訳ない、本当にすまないとしか言いようがありません。是非皆さんも声を挙げてください。宜しくお願いいたします(拍手)。

司会 続いて寺越昭二さんです。長男の昭男さんがお父さんを最後に見た時の思い出です。
 「父ちゃん今日は俺も船に乗せてくれんか」。その日はメバル漁に出る父親にそう頼んでいた。中学に入ってからもう2回船に乗っている。漁師町の少年にとって船に乗るのは、貧しい家計を助けることだけじゃなく、何よりも心の踊る冒険でもあった。
 前に船に乗った時はすぐに船酔いして気持ちが悪くなったが、その日は初夏の抜けるような快晴、海はべたなぎだった。しかも次の日は日曜だ。心は遠足に行く前のような気だった。
 しかし、学校で何があったのか、遊んでいて遅くなったのか、それは覚えていないが、港に行った時船はもう出た後だった。もしもあの時自分も船に乗っていたら、運命というものの不思議さを思わずにはいられない。
 また次男の北野政男さんはこう語っています。
 親父は大きな船で漁に出る出稼ぎ漁師で、家には1年に数か月しかいなかった。事件の時私は小学校6年生でした。それでも一緒にお風呂に入った時のことをよく覚えています。兄弟3人と風呂に行って身体を流してもらった。ごつい手で頭をガーッと洗われるのが嫌だった。

司会 36歳で弟の外雄さん、甥の武志さんと漁に出て、北朝鮮工作員に拉致されました。二人を守ろうとして、海上で銃殺されたという証言があります。北朝鮮は「3人とも北朝鮮に入ったが、昭二さんは病死した」と通報してきましたが、提供された骨箱の中には砂しか入っておらず、昭二さんが北朝鮮に入った証拠は何もありません。現在生きていれば90歳です。寺越さんお願いします。


  
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