緊迫する朝鮮半島情勢下での救出戦略ー東京連続集会95全報告
◆米はまず経済制裁、次に中国が圧力をかけるか、かけないなら軍事攻撃か
西岡 力(救う会会長)
今、北朝鮮の核・ミサイル開発に対して、トランプ政権が「アメリカ本土まで届く核・ミサイル開発は許さない」というデッドラインを引いたことが第一の要素です。二番目の要素は、金正恩は、金日成時代からの対南工作戦略である「アメリカ本土まで届く核・ミサイル開発をする」という方針を変えていないことです。
それで今年の春以降、朝鮮半島で緊張が大変高まっています。但し、4月に、Xデーがいつなのか、アメリカが斬首作戦をするのではないかという報道がたくさんありましたが、それは早すぎた。
緊張が高まってきたことは事実ですが、まだ軍事攻撃をする段階まではいっていませんでした。正確に言うと、トランプ政権はまず、「アメリカ本土まで届く核・ミサイル開発は許さない」というデッドラインを明確にした後、すべての手段をテーブルの上に置いたと言っています。
その「すべての手段の中には軍事的手段」も含まれています。しかし、軍事的手段は後ろの方で使うもので、まだやり得る手段が残っている、と。
今トランプ政権は北朝鮮の貿易の約90%の相手先である中国に対して、「対北経済制裁をかけろ」、あるいは「強めよ」と圧力をかけ、トランプ大統領は「習近平はいいやつだ」と突然言い出しました。選挙中は「中国は悪い国だ」と言っていたのに。そして「ロシアはいい国だ」と言っていたのに、今「悪い国だ」と言っている。「中国はいい国だ」というふうに評価を変えています。
今国連の安保理事会で決められている制裁を、中国がどこまで忠実に守るのか、それ以上の独自制裁をかけるのか、あるいは国連の安保理事会で追加制裁をする時拒否権を使わないのかと、中国の動きを半年くらいはトランプ政権は見るのではないか。
特に中国はこの秋、党大会を控えていますから、そこまでは中国も米国と衝突を起こしたくないので、アメリカに協力したふりをするか、本当に協力するか、そこはまだ分かりません。