緊迫する朝鮮半島情勢下での救出戦略ー東京連続集会95全報告
◆「中朝関係は今すごく悪い」
西岡 力(救う会会長)
中国問題の専門家は、「トランプは習近平にだまされている」と言う人が多い。「中国はアメリカなんかに協力はしませんよ。協力したふりをしているだけで、北朝鮮の核を本当にやめさせる気はありませんよ」と言っています。
「例えば北朝鮮のミサイル発射台の車両は中国製だ」、「本気でやめさせる気はないんだ」というようなことを言っている。
しかし、私が知っている北朝鮮内部に通じる筋は、「中朝関係は今すごく悪い」と言います。去年1月の北朝鮮の核実験に対して、国連安保理事会が、中国も拒否権を使わない中で対北制裁を強めました。その前後、金正恩は、「中国は裏切った。上海と北京に核を一発ずつおとしてもいいんだと言った。習近平はそれをよく知っている」。
「サンケイ新聞」が報道した、去年3月に北朝鮮内部で幹部に回された講演資料によると、「中国の裏切りを核の暴風で吹き飛ばせ」と中国を名指しにした文書が出ています。「サンケイ新聞」はその文書を入手している。
そしてついに今年になって、北朝鮮の「労働新聞」が、「中国」という名前を出して批判をしました。これは後で惠谷さんにも聞きたいんですが、私の記憶では北朝鮮の公式媒体が「中国」という名前を出して批判したのは、文化大革命の時、紅衛兵の壁新聞で「金日成は修正主義者だ」と出た時に批判したと思いますが、これは紅衛兵に対する批判で、毛沢東も含めた批判ではなかった。
そうなると今回は「中国」という名前を出しての初めての批判ではないか。これまでも内部では批判していましたが、表では「ある大国」とかいって、「中国」という名前は出していませんでした。中朝関係をどう見るかがもう一つの変数です。