緊迫する朝鮮半島情勢下での救出戦略ー東京連続集会95全報告
◆ミサイル開発で再突入技術は必要ない
惠谷 テレビをご覧になっていると、再突入技術について聞いたことがあると思いますが、ミサイル開発においてそんなものは必要ありません。毎日、毎日、「再突入はできない」なんて言っていますが理解に苦しみます。
人間を乗せた人工衛星が回っています。それが帰還する時に再突入するわけです。大気は空気抵抗がありますから、大気に浅く突っ込んでくると、水面に石を投げた時のように宇宙にはね返されます。深く入ると設計以上の熱で燃え尽きて宇宙飛行士が死んでしまう。ですから正確な角度で入る必要がある。それを再突入技術と言います。
弾道ミサイルを撃つと、大気圏を抜けて一旦宇宙空間に入ります。落下すると大気圏で高温になります。打ち上げた後引力によって落ちてくると高温になるわけですが、耐熱技術があるかどうかです。それをテレビで再突入技術と言っています。
北朝鮮はもう耐熱技術は持っています。昨年金正恩は敢えてそういうものをパフォーマンスしてみせましたが、見せる必要はないんです。というのはテポドンが2回も人工衛星を打ち上げている。そして1段目も2段目も再突入している。燃え尽きてはいません。
またスカッドもノドンも何度も打ち上げて、一旦宇宙空間に出てまた入ってきています。つまり百数十回は耐熱技術の試験をクリアーしています。従ってその問題は何の問題でもない。北の技術を貶めようというのが「再突入技術を持っていない」という言い方なのかもしれません。私はその話が出る度に疑問に思います。
西岡 北朝鮮は5月15日に火星12号の発射実験の後「朝鮮通信」で、日本のあるいは世界のそういう議論を意識してか、「過酷な再突入環境の中で、弾頭部の誘導特性と、核弾頭爆発システムの動作の正確性を実証した」と、今回その実験をしたんだとわざわざ言っていますね。