緊迫する朝鮮半島情勢下での救出戦略ー東京連続集会95全報告
◆北朝鮮は核・ミサイル開発をやめない
西岡 わが政府、防衛省の「防衛白書」では、「2015年には、北朝鮮が核兵器の小型化、弾頭化の実現に至っている可能性も排除できない」と。去年8月に公表された2016年版の「防衛白書」では、「小型化、弾頭化の実現に至っている可能性も考えられる」とあります。
「排除できない」という否定形から「可能性も考えられる」という肯定形に変わった。安全保障というのは、「疑わしきは備えよ」ですから、可能性がゼロじゃない以上備えなくてはいけないし、私は逆に、「今年の4月に核実験を準備していた」という内部情報を持っています。
情報がはずれていることもあるし、惠谷さんの技術的な見方が正しいかもしれません。戦略的なことでは惠谷さんと一致するんですが、細かいことではいつも違っていることが多いんですが、今日は核問題がテーマではなく、拉致問題なので、少なくともアメリカ絡みで危機が強まってきた。
アメリカの本土まで届くミサイル開発が最終段階に入ってきたことをトランプ政権が認めて、すべての手段をとってやめさせるという状況になった。このことをまず確認したいと思いますが。
惠谷 間違いないと思います。
西岡 そして今、トランプ政権も、北朝鮮が話し合いで核をやめるだろうかという強い疑念を持っていて、話し合いの条件は「核をやめると宣言することだ」と。「実際に核をやめることが話し合いの条件で、話し合いのための話し合いはしない」と言っていますが、北朝鮮は、惠谷さんの見方でも私の見方でも核・ミサイル開発はやめないという状況です。